馬産地ニュース

BTC育成調教技術者養成研修第32期修了式が行われる

  • 2015年04月20日
  • 緊張した面持ちの研修生たち
    緊張した面持ちの研修生たち
  • 駆けつけた父兄らと卒業記念写真
    駆けつけた父兄らと卒業記念写真
  • 大平理事長から激励のあいさつがあった
    大平理事長から激励のあいさつがあった
  • 父兄を前に1年間の練習の成果を発揮した
    父兄を前に1年間の練習の成果を発揮した

   4月17日、北海道浦河町の(公財)軽種馬育成調教センターが行う育成調教技術者養成研修の第32期生修了式が同センター軽種馬診療所2階で行われた。過去、同研修修了生たちの就職率は100%。今年も修了生全員が社台ファームや吉澤ステーブル、下河辺牧場といった北海道内外の牧場への就職を決めており、馬産地における同研修制度の期待と信頼の高さがうかがえる。

   この研修制度は、世界と互角に渡り合える強い馬づくりのため、馬に関する体系的な技術・知識を習得させることを目的とした1年間の研修制度。 前半の6ヵ月間で育成調教技術者としての基礎的な知識・技術の習得を目標とし、後半の6ヵ月間では前半の6ヵ月間で学んだ知識・技術をさらに深めるとともに、若馬の馴致・初期調教を含めより実践的な技術の習得を目標とするもの。

   今回、修了式を迎えたのは19歳から29歳までの18人(男15人、女3人)。修了式前に行われた実技査閲では、集まった父母や就職先の牧場関係者らを前に同センター内にあるグラスコースや800mダートトラックコースで息のあった騎乗供覧、部班演技を披露した。

   修了式では、大平俊明BTC軽種馬育成調教センター理事長が、生徒一人一人に修了証書と実技査閲で使用した名前入りのゼッケンと記念品などを手渡し労った。「1年前は、乗馬経験もなければ、馬に触ったこともないという方もおりましたが、1年間の研修の中で、見違えるほどの技術と知識を学んだことに敬意を表します。とはいえ、今日からは本当の意味でのホースマンとしての第一歩です。これからも知識や技術を高め、世界に誇れるようなホースマンになってください」と祝辞を述べた。

   また、来賓として出席した日高振興局の名取哲哉局長が「日高育成牧場の育成馬展示会、今日の騎乗供覧を見せてもらいました。自信にあふれ、キビキビと騎乗する姿は、昨年の入講からわずか1年という短い期間の練習成果とは思えないほど力強さを感じました。努力の成果だと思います。この1年間、苦楽をともにした友人や指導教官の方々は習得した技術とともにみなさまの財産となり、飛躍の糧になるものと思います。競馬の国際化は急速で、日本産馬の活躍は目を見張るものがあります。今日卒業されるみなさんも世界中で活躍する馬を育てるホースマンとして活躍することを願います」と励ました。

   最後は修了生を代表し、群馬県で谷口牧場への就職が決まっている折原貴行さんが「この1年間、熱心に指導してくれた教官や日々頑張ってくれた教育用馬たち、そして関係者に感謝いたします。1年間という時間の中で馬に関する知識や技術のほか喜びや悲しみも経験させてもらいました。この経験をいかし、馬にも人にも認められるホースマンになりたいと思います」と謝辞を述べた。