馬産地ニュース

日本軽種馬協会2014年(第36期)生産育成技術者研修の修了式が行われる

  • 2015年03月24日
  • 晴れやかな笑顔で記念写真に納まる第36期生と関係者
    晴れやかな笑顔で記念写真に納まる第36期生と関係者
  • 研修所屋内馬場で行われた騎乗供覧
    研修所屋内馬場で行われた騎乗供覧
  • 修了式では中西信吾場長から修了証書が授与された
    修了式では中西信吾場長から修了証書が授与された
  • 本部からお祝いに駆けつけた西村啓二副会長理事
    本部からお祝いに駆けつけた西村啓二副会長理事

 3月21日、新ひだか町静内の日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、2014年(第36期)生産育成技術者研修の修了式が行われた。

 日本軽種馬協会では、わが国の競馬をいっそう発展させ、また、生産界の期待に応えうる生産育成技術者を養成するため、平成2年より生産育成技術者研修を実施している。その修了生は第36期生を含めて405名となる。研修修了生に対する業界内外からの評価は大変高く、就職率は100%を記録し、定着率も8割と高い水準にあり、競馬サークルに少なからぬ貢献を果たしている。

 昨年4月から始まった第36期の研修には、日高の生産者の後継者2名のほか、福岡県、香川県、兵庫県、京都府、神奈川県、千葉県、東京都出身の19歳から30歳までの12名(男性10名、女性2名)が入講。1年間で、種牡馬、繁殖牝馬、幼駒飼養、栄養管理、分娩管理の実習や生産牧場、育成牧場での研修、馬の扱い、曳き馬、騎乗訓練、初期馴致などの実技、馬学全般、飼養管理、健康管理などの学科、牧草収穫、草刈り、畑作業といった実務、競馬場やせり市場の見学、潮干狩りや駅伝大会などのレクレーションを通じて、競走馬の生産・育成関連の仕事に就業するための基礎となる知識や技術の習得に励み、怪我でリハビリ中の一人を除く11名が晴れて修了の日を迎えた。

 修了式前には研修屋内馬場において騎乗供覧が行われ、第36期生の家族や就業先の関係者、来賓らの前で騎乗技術をお披露目。人馬一体となった華麗な手綱さばきで成長した姿を見せた。

 修了式では研修を温かく見守り続けた中西信吾場長が、36期生一人一人に修了証書と記念品を授与。本部からお祝いに駆けつけた西村啓二副会長常務理事は「皆様はプロとしてこの道を選択されたからには、自分を厳しく律し精進して生産育成界の担い手となることを期待しています。研修で学んだ知識や技術を余すところなく実践の場で発揮するよう心から願っています。また、研修生の就業先の方々におかれましては、意欲に満ちた青年たちに対して、温かいご指導、ご叱責をお願い申し上げます」と河野洋平会長理事の式辞を代読した。

 続いて来賓が祝辞。日高振興局の市川智啓産業振興部長は「ドバイのG1レースで優勝したジェンティルドンナやジャスタウェイなど、近年の日本産馬の活躍は目を見張るものがあります。皆様も世界中で活躍する競走馬を生産育成する、一人前のホースマンとして成長されることを期待しています」、新ひだか町の酒井芳秀町長は「皆様の目標に向かう姿勢に感動しております。これから一流のホースマンになるために一歩一歩歩まれていくなかで、最初に持った心持を忘れずに頑張ってください」、日本中央競馬会日高育成牧場の山野辺啓場長は「軽種馬の世界は日進月歩です。ヒューマンネットワークを築いて研修生同士連絡を取り合い切磋琢磨してください。そして、常に謙虚な気持ちで馬を第一に考えてください。強い馬づくりの方法はひとつではありません。自分の引き出しを増やしていってください」、日高軽種馬農業共同組合の木村貢代表理事組合長は「馬に接する際には馬の気持ちと自分の気持ちをあわせて接してください」とエールの言葉を送った。

 最後は36期生を代表して、新ひだか町のグランド牧場に就職する河野桃子さんが謝辞。「今日からが本当のスタートです。必ず困難にぶつかり大きな岐路が待っていると思います。この研修で培った経験やともに過ごした仲間の言葉を頼りに困難を乗り越え、道を切り開いていきたいと思います。研修で学んだことをこれからの人生の糧として頑張ります」と感謝の気持ちを表した。