鹿児島に春を告げる「初午祭」が開催されました~南九州連絡センター
3月8日(日)、鹿児島県霧島市の鹿児島神宮で鹿児島に春を告げるお祭り「初午祭」が開催されました。
約460年の歴史を持つ「初午祭」は五穀豊穣、畜産振興、牛馬の安全を願って行われ、祭の起源は室町時代にさかのぼり、当時の領主島津貴久が見た夢がきっかで、「自分は馬頭観音である。長い間ここに居るんだが誰も顧みてくれるものがない。お堂を建てて私を祭ってくれないか、そうしたらこの国の守護神になり、末永く守ってやる。」といってスーッと消えてしまいました。
次の朝、この話を宿元の神官に話すと「私も同じ夢を見た。」と言う。ちょうどそこへ神宮近くの日秀上人という偉い坊さんが碁を打ちにやってきて、「その夢なら私も見た。」という。三人が三人とも同じ夢を見ました。「これはきっと観音様の有り難いお告げに違いない。」ということで、獅子尾丘に正福院観音堂を建て日頃愛用した碁盤を材として観音像をお祭りするようになりました。それからは、夢を見たその日、旧暦一月十八日を縁日と定めたくさんの馬をお堂にお参りに引いていくようになり、きれいに飾り立てた鈴かけ馬を踊らせたのが始まりだといわれています。
参加する馬は数か月前から踊りの練習を行い、祭が終わった後もしばらくの間は足踏みの癖が残るそうです。
この日も地元有志が用意した21頭のしゃんしゃん馬たちがたくさんの鈴の連なった胸飾り、花や錦などで飾った鞍を付け、鐘、太鼓、三味線など音楽に合わせて足踏みをして踊り、その後ろにそれぞれ数十名の踊り連が続き参道を練り歩く「鈴かけ馬踊り」と呼ばれる風習です。
小春日和の中、しゃんしゃん馬をひと目見ようと、県内外から多くの見物客が訪れました。