浦河町のイーストスタッドで種牡馬展示会が行われる
2月12日、浦河町のイーストスタッドで種牡馬展示会が行われた。
当日は天候に恵まれ、日高管内の牧場経営者やスタッフ、スタリオン関係者、報道陣ら約300名が来場した。午前10時から始まり、米国から輸入した新種牡馬ダンカークをはじめ、クレスコグランド、トゥザグローリー、新入厩のストーミングホーム、ディープスカイ、ルースリンドら14頭が展示された。
先陣を切って登場したのはダンカーク。日本で初めて実馬を目の当たりにする方が多く、真っ白な馬体にさっそく熱い視線が注がれた。同馬は米国産の9歳馬で、現役時代は米国クラシックのベルモントS(G1)2着の実績を残した。2010年に種牡馬入り後、早々と産駒が米国G1を制し、2013年北米新種牡馬チャンピオンに輝いた。日本では外国産馬としてキープアットベイ、フォンタネットポーが新馬戦勝ちを決めており、また、父アンブライドルズソングの血を引くダノンプラチナ、トーホウジャッカルが昨年G1を制覇したことも追い風に、すでに馬産地では人気の一頭に数えられている。新天地には慣れてきている様子で、余裕のある顔つきでその馬体を堂々披露した。来場者から要望が多く、展示会の最後に再度じっくりと展示時間が設けられた。
次に現れたトゥザグローリーは5つのJRA重賞勝ちを引っさげての種牡馬入り。名牝トゥザヴィクトリーの仔で、全弟トゥザワールドは昨年の有馬記念(G1)で2着に奮闘し、母系からはサイレントディールやデニムアンドルビーなど重賞馬が並ぶ。こちらは良血馬らしい上品さがあり、展示のお手本を示すかのようにスタッフの指示に従ってポーズを決めた。周囲からは「すごく落ち着いている馬だ」という声が上がっていた。
3頭目にはクレスコグランドが登場。タニノギムレット産駒で、伯父にマンタッタンカフェ、近親にブエナビスタがいる。3歳時に3連勝で京都新聞杯(G2)を制し、日本ダービー(G1)に駒を進めてオルフェーヴルの5着に健闘した。展示にあたっては馬主の堀川三郎氏が立ち会い、「現役時代はケガに悩まされましたが、父タニノギムレットの能力を受け継ぎ、母系も優秀なので、かなりポテンシャルの高い馬だとして自負しております。タニノギムレット以上の結果を期待しております。」と、PRした。展示の際、クレスコグランド自身はやや興奮気味だったものの、弾むような立派な馬体はインパクトを与えた。
その後は新入厩馬の2頭がお出まし。ストーミングホームは昨年の競走馬のふるさと案内所・馬産地見学ガイドツアーの時と同じように、ギャラリーを前に立ち上がる素振りを見せ、元気いっぱいに周回した。故郷・浦河で再出発を期すディープスカイは雄大な馬体を披露。続いてルースリンドは「地方競馬の馬主の方から複数問い合わせをいただいています」と紹介を受けて登場した。これまでの産駒数は10頭に満たないが、昨年デビューした初年度産駒ストゥディウムが南関東の重賞を2勝し、クラシックでの走り次第では忙しい春となりそうだ。
こうした新しい顔ぶれに加えて、既存の種牡馬たちも健在で、堅実な人気を得ているメイショウボーラーや産駒成績を伸ばしているメイショウサムソン、若々しいオウケンブルースリは初年度産駒(1歳)の評判の良さが伝えられた。
同スタッドの鎌田信一社長は展示会を終えて、「展示会開催にあたって大勢お集まりいただき、嬉しく思っています。ご覧いただいた通り、どの馬も良い状態で種付けに備えています。中でも、新種牡馬のダンカークは導入後の反響が大きく、本日も皆さまの関心の高さを感じました。ダート適性や日本の繁殖牝馬と配合しやすい血統背景を生かして、長く結果を出していきたいです。」と、意気込みを語った。