馬産地ニュース

2014年馬産地で話題になった主な出来事~日高案内所

  • 2014年12月24日

 2014年も年の瀬を迎え、残りあとわずか……。

 本年の競馬開催売上は、中央競馬では年後半から売上げを伸ばし前年比103.6%、地方競馬では前年比106.7%と増加しております。これは競馬関係者の多くの努力と競馬ファンの皆様の支えがあったからこそ実現できたことです。競馬は景気動向によって大きく左右される業種のひとつですが、より景気が良くなること、それが長続きするよう期待したいと思います。

 以下、1年間を振り返り、馬産地で話題となった主な出来事をまとめました。

1.活況だった北海道市場、総取引額70億円を超す。

 トレーニング(5月、2歳)、セレクション(7月、1歳)、サマー(8月、1歳)、オータム(10月、1歳)の各セールでの総取引高は、前年を約7億1,000万円上回る70億4,915万円(税込)となり、売却率は7.14ポイント上昇し62.73%、平均価格も9万5,000円増の4,957,000円の好結果となった。70億円を超えたのは2001年以来とのこと。

 当初、消費税増税によってその国内経済動向が心配されていたなか、2歳トレーニングセールで空前の売却率75%を記録し、この勢いがその後の市場へ波及する結果となりました。これは、株価が上がったこと等により購買者層の資産価値が回復し、市場購買ニーズが高まったからの様です。 

2.海外のレースで日本産馬が大活躍

 悲願の凱旋門賞(G1)制覇にはいたりませんでしたが、海外の主要なレースで日本産馬の、活躍がクローズアップされた年でもありました。

 3月にジャスタウェイがドバイデューティフリー(G1)、ジェンティルドンナがドバイシーマクラシック(G1)、4月にはハナズゴールがオールエイジドステークス(G1)、そして10月にはアドマイヤラクティがコーフィールドカップ(G1)をそれぞれ優勝し、日本産馬の実力を発揮しました。ただ、その後アドマイヤラクティがメルボルンカップ(G1)競走後、急死したのは非常に残念ですが、ジャスタウェイがワールドベストホースランキングで「130」と高いレーティングとなったことは快挙でもありますし、今後とも益々日本産馬の名声を広めるよう活躍を祈りたいと思います。

 この他、本年、海外レースへ挑戦し出走した馬を列記します。
 ブライトライン、トウケイヘイロー、ロゴタイプ、デニムアンドルビー、ベルシャザール、ホッコータルマエ、エピファネイア、アンコイルド、マイネルラクリマ、ハープスター、ゴールドシップ、ライザン、アドマイヤイナズマ、カレンミロティック、ストレイトガール、スノードラゴン、リトルゲルダ、グランプリボス、ワールドエース、フィエロ、アルキメデス。

3.引き続き好調なホッカイドウ競馬

 北海道軽種馬振興公社のまとめによると、本年の総発売額は対前年比112.18%、157億669万9,000円で前年より16億8,900万円増と引き続き好調な結果となりました。これは全開催日でナイター競馬を実施できたこと、屋内坂路の利用で馬が丈夫となり、レベルの高いレースを提供できたことが要因です。また、依然として本場・場外は減少傾向であるものの、電話投票、中でもIPATが好調の様。秋以降2歳馬の流失が古馬を上回りましたが関係者の懸命な努力により、出走馬を確保し、4年連続売上増となりました。

4.馬産王国「日高」の復活なるか

 日本ダービーを新冠町(株)ノースヒルズ生産のワンアンドオンリーが昨年のキズナに続いて2年連続制覇、そして宝塚記念(G1)のゴールドシップ、菊花賞(G1)のトーホウジャッカルの優勝など、本年の日高生産馬は、JRAグレード競走で、全体120レース(12月17日現在)のうち、G1 9勝、G2 14勝、G3 28勝、JG等で10勝、計61勝し大変好調です。これは、繁殖牝馬の入れ替えによる血の更新、育成技術のさらなる向上が実を結んだもので、称賛に値いします。今後とも一層の活躍が望まれます。

 以上が生産者や関係者の間で主に話題になった事柄ですが、この他では、札幌競馬場がグランドオープンし盛況だったこと、ロンジン社がJRAとスポンサー契約を締結し、ジャパンカップ(G1)を協賛したこと、有馬記念(G1)出走馬の枠順決定にドラフト方式を採用などが挙げられます。

以下、主な名馬の動向です。

2014年供用新種雄馬(北海道内)

 エイシンフラッシュ、エスポワールシチー、オルフェーヴル、シルポート、ストロングリターン、スマートロビン、ダイシンオレンジ、ネヴァブション、ネオヴァンドーム、ノヴェリスト、ハードスパン、フサイチセブン、ヘニーヒューズ、マコトスパルビエロ、モンテロッソ、ローズキングダム、ロードカナロア、ロジユニヴァース 他

2014年に他界した馬〉

[種雄馬]
 アフリート、サイレントハンター、フサイチコンコルド、ロドリゴデトリアーノ

[繁殖牝馬]
 エアメサイア、クロカミ、ハートオブクィーン、メジロダーリング、ローブデコルテ

[引退功労馬]
 ウインドフィールズ、エリモシック、カミノクレッセ、コーセイ、サクラチトセオー、システィーナ、シノクロス、タケノベルベット、バンブーメモリー、ミホシンザン、ヤエノムテキ、ユウトウセイ、ユキノローズ、ライデンリーダー、リリーズブーケ 

 本年は広島の集中豪雨や御嶽山噴火、そして12月に入り北海道を襲った暴風雪など自然の恐ろしさが改めて浮き彫りになりました。また、日高地域においても漁業関連ではホッケが激減し、深海魚が捕れたり、浦河港にイワシの大群が押し寄せたことなどが話題となりました。
 何か日本の気象がおかしいと感じた年でもありましたが、明年は、皆様にとってさらに良い年になりますようお祈りいたします