2歳牝馬重賞ブロッサムカップはユヅルノオンガエシが快勝
2014年度ホッカイドウ競馬開催最終日となった11月13日、門別競馬場では2歳牝馬による重賞、HBA賞・第2回ブロッサムカップ[ゼンノロブロイ賞]が行われた。距離はダート1200m。
昨年創設となった新しい重賞で、今年のメンバーは12頭。ホッカイドウ競馬デビュー2歳馬はすでに移籍した馬が多く、このレースに重賞馬の出走はなかったが、下半期の活躍が目立つメンバーが揃った。1番人気に推されたアシドベリーはこれまで4戦3勝2着1回と底を見せず、牡馬相手にも互角の競馬をしてきた。重賞で堅実に入着しているサプライズソングはリーディングジョッキーとなった岩橋勇二騎手とのコンビで重賞奪取へ挑み、今回2番人気。交流重賞のエーデルワイス賞(Jpn3)で4、5着に好走したフィーリンググー、ブライトギャルが3、4番人気に続いた。
レースはサプライズソングがハナを奪い、パシコペンネッタが2番手を追走。差がなくフィーリンググー、ユヅルノオンガエシが続き、先団は5、6頭ひしめく。ブライトギャルは先団の後ろ、アシドベリーは馬群の真ん中からレースを進め、比較的馬群はかたまって3、4コーナーへ。逃げていたサプライズソングの脚色がやや鈍り、パシコペンネッタ、フィーリンググーがかわって先頭を争い、2頭の外からユヅルノオンガエシが襲いかかるように直線に入る。最後の脚比べはユヅルノオンガエシが抜け出し、吉原寛人騎手のムチに応えて後続にリードを広げる。先行勢は伸びあぐね、かわって後方2番手にいたユメノヒト、アシドベリーが末脚を伸ばすが、ゴールでは1馬身半差をつけてユヅルノオンガエシがフィニッシュ。2着はユメノヒトが追い込み、アシドベリーが3着で駆け抜けた。勝ち時計は1分12秒9(重馬場)。
騎乗した吉原騎手は今年ハッピースプリントで東京ダービー(S1)を制すなど、金沢競馬所属ながら全国の重賞で上位争いを果たしている。表彰式でマイクを向けられると、「北海道で何度も騎乗してきましたが、なかなか結果を出せていなかったので、重賞を勝つことができて嬉しかったです。今後も機会があれば乗せていただきたいです。来年も北海道に来るので、また応援してください。」と、答えた。管理する田中淳司厩舎はこれで今年95勝目を飾り、コパノハートによるフルールカップ(H3)、パーティメーカーによるジュニアグランプリに続く2歳重賞制覇を決めた。
優勝したユヅルノオンガエシは父オレハマッテルゼ、母ディアン、母の父ブラックタイアフェアーという血統。浦河町の木戸口牧場の生産馬で、馬主は酒井美津子さん。サマーセール出身馬で、315万円で落札された。生産牧場の木戸口篤夫さんは、「優勝できて嬉しいです。オーナー、厩舎、騎手のおかげですね。当日は天候が悪くて、自宅でインターネット中継を見て応援していました。牧場にいた頃は柔らかくてバネがあり、将来を楽しみにしていました。母馬は気性が強いのですが、手のかからない利口な馬でしたね。また頑張って欲しいと思います。」と、喜びを語った。母ディアンは現在フリオーソの仔を受胎中で、同牧場で繁殖生活を送っている。ユヅルノオンガエシの半弟となる1歳の牡馬(父デュランダル)はこの秋のHBAオータムセールに上場し、216万円(税込)で森中蕃さんが落札している。