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エイシンサンディがレックススタッドを退厩

  • 2014年11月11日
  • 旅立ち前に最後の手入れを受けるエイシンサンディ
    旅立ち前に最後の手入れを受けるエイシンサンディ
  • 19シーズン過ごした厩舎を後にする
    19シーズン過ごした厩舎を後にする
  • かつての同僚トゥナンテが待つ鹿児島へ向かった
    かつての同僚トゥナンテが待つ鹿児島へ向かった

 11月8日、エイシンサンディ(牡21歳)が新ひだか町静内のレックススタッドを退厩し、鹿児島県姶良郡のNPO法人ホーストラストへ移動した。今後は功労馬として余生を送る。

 エイシンサンディは父サンデーサイレンス、母エイシンウイザード、母の父ノーザリーという浦河町の栄進牧場生産馬。母は1990年、1991年のサンスポ阪神牝馬特別(G3)2着、1991年の中山牝馬S(G3)2着などJRA7勝の活躍馬で、サンデーサイレンスのセカンドクロップとなる。

 その血統背景から期待は大きかったエイシンサンディは、育成時に怪我をした右肩が原因で競走馬としてのデビューを断念。不出走のまま、1996年に4歳という若さで種牡馬入りをした。初年度産駒から2000年の兵庫チャンピオンシップ(G3)、2001年、2001年の佐賀記念(G3)、2001年の名古屋グランプリ(G2)などダート交流重賞で活躍したミツアキサイレンスが登場。サンデーサイレンスの後継種牡馬として評価が高まり、1999年には7頭に落ち込んだ種付け頭数が2000年には163頭もの繁殖牝馬を集めるようになった。

 その後も2005年のチューリップ賞(G3)に勝利したエイシンテンダー、2005年の北海道2歳優駿(G3)に勝ったエイティジャガー、2012年のさきたま杯(Jpn2)、2011年の根岸S(G3)、2010年のカペラS(G3)、2012年、2013年、2014年の黒船賞(Jpn3)を3連覇するなどダート重賞戦線で息の長い活躍をするセイクリムズンといった重賞勝ち馬を送り出して成功種牡馬の地位を確立。しかしながら、来年で22歳になるという高齢を考慮して、今シーズン限りで19シーズンに及ぶ種牡馬生活にピリオドを打つことになった。

 退厩当日、泉山義春場長らスタッフは一丸となって旅立ち前の愛馬を手入れ。馬運車での輸送はレックススタッドに入厩してきた1995年秋以来約20年ぶりのため、おとなしく乗るか心配させたが、泉山場長に促されると素直に応じ、見守っていた関係者を安心させた。

 事務局の(株)レックスでは「現在、レックススタッドに繋養している種牡馬の中では最も古株でした。サンデーサイレンス産駒らしい激しい気性の持ち主で、競走成績がないにもかかわらず種牡馬として素晴らしい成績を残してくれました。エイシンサンディの成功がサンデーサイレンス系種牡馬の隆盛に一役買ったと思っています。これからは南国の暖かいところで、ゆっくりと余生を送って長生きしてほしいですね」と長年の貢献に感謝していた。