JRA日高育成牧場の諫山太朗さんが全国装蹄競技大会に優勝
10月20、21日、公益社団法人日本装削蹄協会の主催による農林水産祭参加「第67回全国装蹄競技大会」が、栃木県宇都宮市にある日本装削蹄協会・装蹄教育センターで行われ、JRA日本中央競馬会日高育成牧場から参加した諫山太朗さんが今年の装蹄師№1に輝いた。
全国装蹄競技大会とは、馬の装蹄に関する技術を競うもの。装蹄師法の制定を記念して昭和16年に東京都世田谷区にあった陸軍獣医学校で最初の大会が開催された。その後は世界大戦や戦後の経済産業事情の激変などで何度か中止された時期もあったが、関係者の熱意や努力により昭和26年以降は継続して実施されている。大会は清秋の佳日を選び、わが国の近代装蹄発祥の地である東京都世田谷区の駒場で開催されていたが、平成2年からはJRA馬事公苑で、現在の会場では平成7年から行われている。
67回目を迎えた今年の大会には、全国各地の地方予選を勝ち抜いた31人の装蹄師が出場。「造鉄競技」、「装蹄競技」、「装蹄判断競技」の3種目が行われ、「装蹄競技」、「装蹄判断競技」の2つで1位となった諫山さんが総合でも1位となり、3回目の出場でうれしい初優勝を飾った。
JRA所属の装蹄師が全国優勝するのは、3年連続で通算25人目(26回)。日高育成牧場からは昨年の大塚尚人さんに続き2連覇となった。日高育成牧場では事務所エントランスに全国大会優勝を紹介するパネルと優勝旗を展示し、祝福ムード一色。牧場を挙げて諫山さんの偉業を称えている。
福岡県出身の諫山さんは、高校時代に近所の乗馬クラブで装蹄師の仕事に興味を持ち、平成12年に同協会装蹄教育センターの装蹄師養成認定講習会を受講。翌平成13年に認定装蹄師の資格を取りJRAに入会した。入会後は競馬学校、日高育成牧場、栗東トレーニングセンター、競走馬総合研究所、美浦トレーニングセンターなどを経て、今年から再び日高育成牧場で従事している。
紫紺の優勝旗を持ち帰った諫山さんは「2年前に優勝した下村英次さんは私の師匠といえる存在の方で、なんとか師匠に続きたいという想いがありました。初出場のときは全然駄目でしたが、2回目の昨年は5位になったので、それなりに手応えをつかんで大会に臨めました。全国大会の出場が決まってからは、普段の仕事でも大会を意識しながら取り組んできました。歴代の優勝者は皆、素晴らしい装蹄師になられていますので、自分も優勝の名に恥じないようこれからも努力していきたいとおもいます」と喜びを語った。
見事日本一になった諫山さんは、来年2月にアメリカで開催される国際的競技大会の切符を獲得。今度は日本代表として世界チャンピオンを目指す。