馬産地ニュース

重賞格上げの未来優駿・サッポロクラシックカップはコールサインゼロが優勝

  • 2014年10月31日
  • 重賞2勝目を飾ったコールサインゼロ
    重賞2勝目を飾ったコールサインゼロ
  • ゴール前の激しい競り合いを制した
    ゴール前の激しい競り合いを制した
  • 馬体重524kgで出走
    馬体重524kgで出走
  • リーディング首位の原厩舎管理馬
    リーディング首位の原厩舎管理馬
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 10月21日、門別競馬場では2歳重賞サッポロクラシックカップ(H2)[メイショウボーラー賞]が行われた。距離はダート1200m。

 秋に行われる地方競馬2歳主要レースを短期シリーズ化した「未来優駿2014」対象で、このレースは今年から重賞に格上げとなった。今年の出走馬は牡牝合わせて9頭。門別2歳戦も終盤を迎え、キャリア5戦以上の馬が半数を占めた。上位人気は前走フローラルカップ(H3)で4着に逃げ粘ったサプライズソングで、2戦連続1番人気に推された。前走は2着に敗れたものの、イノセントカップ(H3)を制しているコールサインゼロが2番人気、持ち時計の早いチェリーサマーが3番人気に続いた。人気はやや割れて、5頭が単勝オッズ1ケタ台にひしめき合った。

 レースは最内枠を利してチェリーサマーが逃げ、ジュメーリイが2番手。エメラルウルトラ、タイムビヨンドも追いかけ、先団の後ろからサプライズソング、コールサインゼロがポジションをとる。馬群はかたまって3、4コーナーをまわり、手応え良くチェリーサマーが飛ばし、ムチが入ってジュメーリイ、コールサインゼロもギアを上げて直線に入る。残り200mの地点までチェリーサマーがリードを保っていたが、コールサインゼロがじわじわと差を詰め、中団にいたアオジャシンも外に持ち出して末脚を伸ばし、最後は3頭の争いへ。ゴール間際は馬体を併せて叩き合いとなったが、井上俊彦騎手、服部茂史騎手のベテラン2人と肩を並べて、ルーキー・石川倭騎手とコールサインゼロが頭一つ抜け出し、接戦をものにした。2着は僅差でチェリーサマー、3着はアオジャシンが入り、牡馬が上位を独占した。勝ち時計は1分13秒7(重馬場)。

 騎乗した石川倭騎手は昨年デビューの騎手で、コールサインゼロとのコンビで自身2つ目のタイトル奪取を果たした。表彰式のインタビューでは、「スタート直後は3番手あたりで進めようと思いましたが、立ち遅れて後方からとなってしまいました。道中では内で我慢して直線で外に出したら、手応えもあり、最後まで馬が頑張って伸びてくれました。」と、レースを振り返った。管理する原孝明厩舎は好調著しく、コールサインゼロ、アウヤンテプイ、オヤコダカで今年4つ目のホッカイドウ競馬重賞Vを飾った。

 コールサインゼロは父カネヒキリ、母キタサンエージャン、母の父カコイーシーズという血統で、父の初年度産駒となる。日高町の古川優さんの生産馬で、育成は新ひだか町静内のカタオカステーブル。門別競馬場に駆けつけたカタオカステーブル専務の片岡拓章さんは、「当歳秋から2歳のはじめ頃まで牧場で育成しました。当時からがっちりした体つきで、丈夫な馬でした。気性は素直で扱いやすかったです。騎乗スタッフからは背中が良いと聞いていて、活躍を期待していました。これで重賞を2つ勝てたので、更に大きなレースを目指して欲しいですね。」と、感想を語っていた。

 自宅で声援を送っていた生産者・古川優さん夫妻も勝利を喜んだ。牧場生産馬としては、2000年以降初の重賞馬となった。妻・御代子さんは、「重賞を勝つことができて大変嬉しいです。移籍しても故障せずに走ってきて欲しいと思います。」と、今後の無事を願っていた。