馬産地ニュース

胆振地区生産育成技術講座2014が開催される

  • 2014年10月28日
  • 講師を務めたJRA角居勝彦調教師
    講師を務めたJRA角居勝彦調教師
  • 主催者を代表して挨拶する上水厚胆振軽種馬農業共同組合青年部部長
    主催者を代表して挨拶する上水厚胆振軽種馬農業共同組合青年部部長
  • 300名近い競馬関係者が出席した胆振地区生産育成技術講座2014
    300名近い競馬関係者が出席した胆振地区生産育成技術講座2014

 10月27日夜、苫小牧市のグランドホテルニュー王子2階「芙蓉の間」において、胆振地区生産育成技術講座2014が開催された。

 この生産育成技術講座は胆振軽種馬農業協同組合(高橋秀昌代表理事組合長)と同組合青年部(上水厚部長)の共催。世界に通用する強い馬づくりのための生産・育成技術向上を図る目的で毎年開催している。今年は講師にJRA日本中央競馬会の角居勝彦調教師を招き、「角居厩舎の目指す馬づくり~チームの結束力を高めて馬を鍛える~」を演題に講演が行われた。

 当日は胆振地区からだけでなく、平取や門別、新冠、静内、浦河といった日高管内の牧場スタッフ、道営ホッカイドウ競馬の調教師、JRA職員、「JBBA NEWS」でコラムを執筆するスポーツライターの村本浩平さん、グリーンチャンネル「KEIBAコンシェルジュ」、「馬産地通信」や楽天競馬アドバイザーなど多方面で活躍する競馬評論家の古谷剛彦さんといった競馬マスコミなど300名近い競馬関係者が出席。日本を代表するトップトレーナーの厩舎運営、人心掌握術、強い馬づくりのノウハウを吸収しようと熱心に耳を傾けた。

 開催にあたり主催者を代表して同青年部の上水部長は「本日はお忙しい中、多くの方々にご出席いただきありがとうございます。講師の角居調教師におかれましては、競馬開催翌日にも関わらず遠路はるばる北海道まで足を運んでいただき、心から感謝申し上げます。2年前に青年部で栗東に視察研修に行った際、角居先生の厩舎を見学したのですが、そのときに分業化を積極的に進めているという話が、我々の牧場経営にも通じる部分があるのではと大変興味を持ちました。本日は先生の教育論はもちろんのこと、いかにして厩舎スタッフをまとめているのかという点についてもお聞きしたいと思います。今日の講演会が明日からの仕事の活力になるような、実りある講演会になることを祈念します」と挨拶した。

 角居調教師は2000年にJRAの調教師免許を取得し、翌2001年に開業。2004年、デルタブルースの菊花賞(G1)でG1初勝利を遂げると、その後も2007年のウオッカで日本ダービー(Jpn1)、2013年のエピファネイアで菊花賞(G1)など、数々の名馬を送り出している。海外遠征にも積極的で、これまでに日本を含め世界5か国でG1を制覇。2011年から昨年まで3年連続でJRA賞最多勝利調教師に輝いている。

 講演の中で角居調教師は事前に青年部から寄せられた質問に応じ、「角居厩舎の調教理念」、「『チーム角居』の強さの秘訣」、「育成牧場に求めること」、「若馬に有効な坂路調教」などについて、デルタブルース、ウオッカ、ヴィクトワールピサ、カネヒキリ、シーザリオ、ハットトリックといった自ら手がけたG1ホースのエピソードを交えて披露。最後に「生産牧場と育成牧場があってこその競馬。これからも日本の牧場の人たちと競馬サークルを盛り上げていきたいとおもっていますので、応援よろしくお願いいたします」と結んだ。