フローラルカップはステファニーランが重賞連勝
秋分の日の9月23日、門別競馬場では2歳牝馬重賞、UHB杯第14回フローラルカップ(H3)[ケイムホーム賞]が行われた。距離はダート1700m。
今年の出走頭数は7頭と少なかったが、重賞馬を含めて有力馬が顔を揃えた。上位人気に推されたのは2戦2勝のサプライズソングで、このレースに3頭を送り込んできた田中淳司厩舎の筆頭格。リリーカップ(H3)を制して波に乗るステファニーランを抑えて1番人気の支持を受けた。中距離で成績を伸ばしてきたフォーティクインが3番人気、今年の2歳世代勝ち馬第1号で、栄冠賞(H2)2着の実績が光るフィーリンググーが4番人気に続いた。
レースはスタンド前からの発走。スタートから4頭がダッシュ良く前に出たが、1コーナーでサプライズソングが逃げるかたちとなり、同厩舎のマドヲアケレバが2番手、差がなくフィーリンググーが続き、ミトノレオ、ナナヨンハーバーが好位を追走する。外目から差す競馬を狙うステファニーラン、最後方のフォーティクインまで馬群は6、7馬身にまとまった。ゆったりとした流れから勝負所に入るとピッチが上がり、サプライズソング、マドヲアケレバ、フィーリンググーが並んでトップを争い、じわりじわりとステファニーランが押し上げて直線を向く。最後の攻防は粘り込みを図るサプライズソング、フィーリンググーを目がけ、外からステファニーランが伸びて先頭に立つ勢い。応戦してきたのは勝負所で内をついてきたフォーティクインで、ためていた末脚を発揮する。ゴール前はステファニーラン、フォーティクインによる際どい勝負となったが、ステファニーランが辛くも差し切り、重賞2連勝を飾った。2着はフォーティクインで、フィーリンググーが3着に入った。勝ち時計は1分52秒2(良馬場)。
騎乗した宮崎光行騎手はステイヤーズカップ(H1)でのクラグオーに続いて2週連続重賞Vを決めた。表彰式のインタビューでは、 「距離延長は気にせず、揉まれ弱いところがある馬なので注意して乗っていました。道中折り合いはつき、直線でも追い出したらすぐ反応してくれるので、乗りやすい馬です。今後も更に活躍してくれると思います。」と、笑顔を見せた。今季は9月25日現在74勝をマークし、ホッカイドウ競馬リーディング首位を走っている。管理調教師は松本隆宏調教師。
ステファニーランは父スウェプトオーヴァーボード、母がフロイラインカップの勝ち馬ティンバーランドという血統。母の半弟にJRA重賞馬のスマイルジャックがいる。むかわ町・上水牧場のオーナーブリーディングホースで、現地に応援に駆け付けた上水さんは、「今回も優勝できて嬉しいです。1700mでも結果を出せたことは大きいですね。このあとはエーデルワイス賞(Jpn3)を目指します。母ティンバーランドは元気に繁殖生活を送っていまして、現在はドリームジャーニーを受胎しています。当歳は父アサクサキングスの牝馬で、来年の市場上場を予定しています。1歳は父スウェプトオーヴァーボードの牡馬で、ステファニーランの全弟になります。どちらも高い素質を感じています。」と、話していた。