平成26年度第1回リム&フットケア・ワークショップが行われる
9月4日夜、新ひだか町静内にある日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、平成26年度第1回リム&フットケア・ワークショップが行われた。
このワークショップは、装蹄師や獣医師が日常の仕事の中で遭遇したアシや蹄に関する症例を持ち寄り、それぞれの経験や意見をぶつけて議論し、それらの症例に対する対応策を統括することを目的に日本軽種馬協会の主催で開催。今年度最初のワークショップには、北海道日高装蹄師会、JRA日高育成牧場に所属する装蹄師や日高軽種馬農業協同組合(HBA)、軽種馬育成調教センター(BTC)、日高地区農業共済組合(NOSAI日高)に所属する獣医師や獣医学部の学生など約40人が出席した。
武田英二北海道日高装蹄師会会長が座長を務めた症例報告では、JBBA軽種馬生産技術総合研修センターの田中弘祐氏が「症例と蹄骨変形との関係」、JRA日高育成牧場の諌山太郎氏が「蹄尖壁の横裂から重度の跛行を呈した症例」、HBA静内支所の池田寛樹氏が「慢性経過を辿った踏創の一例」、NOSAI日高中部支所の荒川雄季氏が「1歳馬の釘による刺傷の1症例」について、スライドを交えながら治療の経過を説明。それぞれの報告の後には、獣医師の視点からの質問や意見、装蹄師の経験に基づいた発言や疑問点など、活発にディスカッションされた。
軽種馬生産地にとって、幼駒の肢蹄トラブルへの矯正技術の普及・確立、トラブルに対する的確な予後判断、予防態勢の構築は必要不可欠なことで、肢蹄トラブルの実態を把握し、適切な対応策を究明していくことが必要となっている。ワークショップは情報の共有、獣医師と装蹄師の連携強化につながる取り組みとして期待は大きい。次回は来年2月に開催を予定している。