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牝馬重賞リリーカップはステファニーランが末脚炸裂

  • 2014年09月08日
  • 大外一気の末脚で勝負を決めたステファニーラン
    大外一気の末脚で勝負を決めたステファニーラン
  • 鞍上・松井騎手は移籍後重賞2勝目
    鞍上・松井騎手は移籍後重賞2勝目
  • 馬体重448kgで出走した
    馬体重448kgで出走した
  • オーナーブリーダー・上水牧場の皆さんも入って口取り写真
    オーナーブリーダー・上水牧場の皆さんも入って口取り写真
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 門別競馬場では9月4日、2歳牝馬による重賞、HTB杯第11回リリーカップ(H3)[ゴールドアリュール賞]が行われた。距離はダート1200m。

 10月16日に迫った交流重賞エーデルワイス賞(Jpn3)に向けての前哨戦で、サプライズソングが取り消して出走馬は11頭。1番人気は前走のオープン戦を快勝したルージュロワイヤルで、7月の栄冠賞(H2)で4着に好走している。軽快なスピードを武器に2連勝中のレッドムーンが2番人気、門別重賞に滅法強いプリサイスエンド産駒ドンローズが3番人気に推された。

 雨が降りしきる中レースはスタート。逃げ・先行馬が揃った中、ホワイトラヴィーナ、ジュメーリイがハナを争い、差がなくレッドムーン、ミラクルフラワーが先行。ドンローズは好位を追走し、1番人気のルージュロワイヤルは後手を踏んで後方からとなった。前の集団は崩れず3、4コーナーに入り、ホワイトラヴィーナ、ジュメーリイが併走したままピッチを上げる。ドンローズは外から進出を開始し、更に外からルージュロワイヤルが押し上げて直線に向く。

 横一線に広がっての最後の攻防は、逃げるホワイトラヴィーナに内をすくうレッドムーン、外からドンローズ、ルージュロワイヤル、ジュエルクイーンらがじわじわと伸びる。すると、最後方で脚をためていたステファニーランが大外一気の追い込みを見せ、残り100mから各馬を豪快に交わし去り、初重賞Vのゴールを切った。強烈な決め手に食い下がったジュエルクイーンが2着に入り、正攻法の競馬をしたドンローズは3着、ルージュロワイヤルは8着に敗れた。勝ち時計は1分14秒7(やや重馬場)。

 コンビを組んだ松井伸也騎手はホッカイドウ競馬移籍後、メキメキと頭角を現し、今季2つ目の重賞タイトルを手にした。表彰式のインタビューでは、「1枠とわかった時から揉まれない競馬をしようと心がけていました。反応もすごく良かったので自信がありました。最後の直線では気持ち良いぐらいの末脚でした。」と、レースを振り返った。管理する松本隆宏調教師は、今季ヤマノミラクルで北海優駿(H1)を制しており、2歳世代でも見事重賞馬を生み出した。

 ステファニーランは父スウェプトオーヴァーボード、母ティンバーランドという血統で、馬主・生産者はむかわ町の上水牧場。母自身、ホッカイドウ競馬重賞フロイラインC(H3)の勝ち馬で、母の半弟にはクラシック、マイルG1で高い実績を残したスマイルジャックがいる。門別競馬場に応援に駆けつけていた上水さんは、「難しい枠を懸念していましたが、うまく外に持ち出してくれましたね。松井騎手の好騎乗だったと思います。当歳時は決して目立つタイプではありませんでしたが、立派な馬に成長してきました。今度はエーデルワイス賞(Jpn3)を目指して頑張って欲しいです。伯父のスマイルジャックのような活躍を願っています。」と、喜びを語っていた。