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牝馬重賞ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)はサンビスタが初栄冠

  • 2014年08月18日
  • 待望の初重賞制覇を飾ったサンビスタ
    待望の初重賞制覇を飾ったサンビスタ
  • 牝馬重賞らしく、花の優勝レイで口取りへ
    牝馬重賞らしく、花の優勝レイで口取りへ
  • 前走・函館戦から+2kgの馬体重474kgで出走した
    前走・函館戦から+2kgの馬体重474kgで出走した
  • 馬場での口取り写真
    馬場での口取り写真
  • 優勝馬関係者の皆さんとプレゼンターの福島千里さん
    優勝馬関係者の皆さんとプレゼンターの福島千里さん

 8月14日、門別競馬場ではスポーツニッポン杯第26回ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)が行われた。距離ダート2000mで、グランダム・ジャパン2014古馬シーズン対象レース・第5戦目となる。

 今年から牝馬限定のJpn3戦となり、かつてレースを盛り上げたウイングアロー、スマートファルコン、タイムパラドックス、カネヒキリといった一流牡馬の姿こそないが、ここ2年とは対照的に多頭数立てとなり、秋の大舞台を狙う有力牝馬が集まった。1番人気は今季、牝馬交流重賞を2度圧勝しているワイルドフラッパーで、世界選抜チームとしてイギリス「シャーガーカップ」に出場したばかりの福永祐一騎手を背に単勝1.1倍の支持を得た。2番人気はオープン入り後も堅実な成績を収めているサンビスタ、2連勝で格上挑戦してきたケイティバローズが3番人気、名牝チヨダマサコの孫マーチャンテイマーが4番人気に続き、地元重賞ノースクイーンカップ(H2)を制して挑むココロバが、地方馬では最上位の6番人気に推された。

 静内高校吹奏楽部の生ファンファーレでレースはスタート。圧倒的人気のワイルドフラッパーがハナに立ち、マーチャンテイマー、リアライズキボンヌ、サンビスタ、ケイティバローズとJRA勢が逃げ~先行集団を形成。ココロバは馬群の真ん中につけ、前から後ろまで隊列は長くなった。勝負所に入って先に仕掛けたのはケイティバローズで、前を行くワイルドフラッパー、マーチャンテイマーにプレッシャーをかける。それらを見ながらサンビスタは内に進路をとり、脚色十分に4コーナーをまわる。直線はワイルドフラッパーが再び引き離すかと思いきや、並びかけてきたサンビスタが勢い良く、岩田康誠騎手の迫力あるアクションに応えて敢然と突き放す。ワイルドフラッパーは盛り返せずにリードを奪われ、残り100mで勝負あり。最後はサンビスタが3馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。2着ワイルドフラッパー、クビ差の3着にマーチャンテイマーが入り、JRA勢が上位を独占した。勝ち時計は2分7秒4(良馬場)。地方馬ではマヤノポルカが中団から漸進し、掲示板まであと一歩の6着に健闘した。

 優勝した岩田騎手は2009年のスマートファルコン以来の同レースVとなった。表彰式のインタビューでは淡々とした表情で、「前回より良い状態で臨めました。一頭強い相手がいましたが、今後につながる勝利となりました。」と、感想を語った。表彰式では夏の門別イベント「シュエット・ジュマン・フェスティバル」に参加したオリンピック代表陸上選手・福島千里さんがプレゼンターを務め、角居勝彦調教師ら優勝馬関係者に記念品を手渡した。

 牝5歳のサンビスタは新ひだか町静内のグランド牧場生産馬で、父スズカマンボ、母ホワイトカーニバルも同郷という血統。母は現役時代、芝・ダートの重賞で活躍し、フェアリーS(G3)優勝のほか、ホッカイドウ競馬・エーデルワイス賞(G3)で2着、クイーンC(G3)で3着の実績がある。昨年はサンビスタの全弟となる1歳牡馬(父スズカマンボ)が誕生している。