JRA日高育成牧場でポニーショー開催
8月8日、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成牧場においてポニーショーが開催された。
ポニーショーは7月から同牧場で実施されている、見学バスツアーのコースのひとつ。8月1日から始まった特別企画で、この日は雨にもかかわらず約20名がツアーに参加した。
ポニーショーを演じるのはポニーのテリーと同牧場業務課の工藤将孝さん。今年からコンビを組みはじめたばかりだ。
北海道生まれのオスの11歳となるテリーはりんごが大好物。さいしょは何一つ芸ができなかったが、6月頃から毎日少しずつ練習を重ね、わずか60日ほどで立派な芸達者になった。ふだんはシンザンフェスティバルなどで子供用の馬車を引っ張る力持ちでもある。
工藤さんは昨年までJRA馬事公苑に勤務。2003年にフランスへ渡り馬の演技調教の技術を学び、帰国後はJRA馬事公苑でのフリーダムホースショーの出演や、JRA代表として天皇皇后両陛下の前で天覧演技を披露した経験を持つ。
この日で3回目のショーとなったテリーと工藤さんは、これまでで最も多く集まったギャラリーの前で少し緊張気味。それでも白い歯を見せてニコッと「スマイル」を見せると、さっそくギャラリーの心をつかんだ。
その後は、脚を大きく上げて歩く「スペイン常歩」や二本足で立ち上がる姿を披露。さらにはサッカーボールに見立てた大きなバランスボールをアルゼンチンのリオネル・メッシのような華麗なステップを交えながらドリブル。最後はポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドばりのPKを決めると拍手喝さいを浴びた。
ポニーショーを終えた工藤さんは「テリーは素直で頑張り屋さん。今までと違う生活となり戸惑っているとは思いますが毎日頑張っています」とパートナーを称え、ポニーショーについては「お客様にはポニーショーを通して競馬とはまた違う馬の魅力を感じていただけたらと思います。馬具を着けないで演技するのは馬の心理を理解しなければならないので難しいですが、ポニーショーで得た技術を育成業務にも活かしていければと思います。来年は日高育成牧場が50周年で浦河町が60周年、シンザンフェスティバルが30周年と3つの記念すべき年になりますから、さらに技を磨いて皆様の前で披露したいと思います」と話していた。
日高育成牧場の見学バスツアーは10月まで開催(8月9月は毎週水曜・金曜と8月16日、30日、9月6日も開催。10月は毎週水曜開催)。ポニーショーの開催は今後、8月13日、15日、16日を予定している。
8月20日、22日、27日、29日、30日は日高育成牧場の研究内容を説明する「研究業務紹介」、9月3日、5日、6日、10日、12日、17日、19日は、1本の鉄から蹄鉄を作製する「造鉄実演」、9月24日、26日、10月1日、8日、15日、22日、29日は、来年のデビューを目指すJRA育成馬の人を乗せるための教育を見学する「ブレーキング見学」が特別企画として用意されている。
見学バスツアーに関する詳細は(http://www.jra.go.jp/news/201406/060201.html)。問い合わせは日高育成牧場総務課(0146-28-1211 9:00~17:00 土・日・祝休)まで。