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エンパイアメーカーの本邦初年度産駒がJRA初勝利

  • 2014年07月11日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場で繋養されるエンパイアメーカー
    日本軽種馬協会静内種馬場で繋養されるエンパイアメーカー
  • 本邦初年度産駒の初勝利にご満悦の様子
    本邦初年度産駒の初勝利にご満悦の様子
  • 重賞勝ち馬や重賞勝ち馬の母など、今年も錚々たる繁殖牝馬が交配されたという
    重賞勝ち馬や重賞勝ち馬の母など、今年も錚々たる繁殖牝馬が交配されたという

 エンパイアメーカー(牡14歳)の本邦初年度産駒が、うれしいJRA初勝利をあげた。記念すべき初勝利を飾ったのは、7月5日にJRA中京競馬場で行われた2歳新馬戦メイクデビュー中京(芝1400m)に出走したドルメロ(牡、栗東・庄野厩舎)。スタートから好位をキープすると直線抜け出し1分23秒0のタイムでゴール板を駆け抜けた。

 エンパイアメーカーは父アンブライドルド、母トゥサード、母の父エルグランセニョールという黒鹿毛の米国産馬。2歳秋、2002年10月のデビュー戦を勝利で飾ると、年が明けた4戦目のフロリダダービー(G1)でG1初制覇。続くウッドメモリアルS(G1)でG1連覇を果たした。米3歳クラシック初戦のケンタッキーダービー(G1)は、1番人気に支持されたもののファニーサイドの2着に惜敗。しかし、ファニーサイドが勝ったプリークネスS(G1)をスキップして挑んだベルモントS(G1)では、ファニーサイドの3冠を阻みクラシック制覇を遂げた。通算成績は8戦4勝。

 2004年に米国で種牡馬入りすると、初年度産駒からカントリースター(ハリウッドスターレットS(G1))、アコマ(スピンスターS(G1))、ムシュカ(スピンスターS(G1))、アイコンプロジェクト(パーソナルエンサンS(G1))といったG1勝ち馬を輩出。2年目産駒以降もBCレイディズクラシック(G1)を連覇したロイヤルデルタ、サンタアニタダービー(G1)を制したパイオニアオブザナイルなど数多のG1ホースを送り出している。

 日本では2011年シーズンから新ひだか町静内の日本軽種馬協会静内種馬場で供用開始。2011年シーズンは204頭、2012年シーズンは236頭、2013年シーズンは192頭の種付け頭数を記録するほど、高い人気を集めている。

 これまでに輸入産駒のイジゲンが武蔵野S(G3)を、持ち込み産駒のフェデラリストが中山記念(G2)など重賞を制しているが、日本で種付けされてからの産駒としては初めての勝利。それだけに関係者の喜びはひとしおだ。

 エンパイアメーカーの導入に携わり、現在の種牡馬生活も管理している中西信吾場長は「エンパイアメーカー自身は2歳秋のデビューですし、米国での産駒も遅いデビューが多かったので心配していたのですが、思った以上に早い時期に勝つことができてホッとしています。2着になった2頭も勝ち上がれそうですし、これからデビューを控えている馬もたくさんいるので楽しみですね。これから始まるセレクトセールやセレクションセール、サマーセールにもエンパイアメーカーの産駒が数多く上場されますので、1頭でも多く売却されたらうれしいです。そういう意味でもせり前に初勝利をあげられたのは良かったですね」と声を弾ませていた。

 エンパイアメーカーの本邦初年度産駒となる2歳は164頭が血統登録。2歳新種牡馬の中では最も多い頭数となる。