6月20日、平取町の平取町軽種馬生産振興会(北嶋佳和会長)が主催する｢第45回平取町軽種馬生産振興会1歳馬育成管理品評会｣が開催された。

　同振興会の品評会は2008年に一時休止したが2011年に再開し、今年で4年連続での開催。品評会前の5月30日には、JRA日高育成牧場の冨成雅尚専門役を講師に招き、｢セリ馬の手入れの仕方と飼養管理について｣の講習会を開き、ボディコンディションスコアや馬の見栄えを良くするトリミングやグルーミングのノウハウを習得しレベルアップを図ってきた。

　品評会には13頭(牡9頭、牝4頭)が出品。参加者は平取町農業協同組合(JAびらとり)の駐車場に集合し、各牧場を巡回して出品馬を見て回った。

　審査はJRA日高育成牧場の山野辺啓場長を審査委員長に、JBBA日本軽種馬協会静内種馬場の中西信吾場長、ビッグレッドファームの岡田紘和代表、北海道競馬調教師会の桧森邦夫会長、岩手県調騎会の瀬戸幸一会長の5名が審査委員となり、1頭20点満点で評価。5名の点数を合計して各賞を決定した。

　どの出品馬も講習会で学んだ技術をさっそく実践して、耳毛、たてがみ、前髪、口ひげ、距毛、尾っぽを綺麗に整えて登場。見た目も素晴らしく、審査をより難しいものにさせた。

　厳正な審査の結果、最優秀賞は100点満点で86点を獲得したホーマンソレイユの25(牡、父エンパイアメーカー、びらとり牧場生産)が受賞。金賞には84点を獲得したドナマッハの25(牡、父タイキシャトル、協栄組合生産)、銀賞には81点を獲得したタニノピカンテの2013(牡、父ワイルドラッシュ、北島牧場生産)、銅賞には77点を獲得したサンクチュアリの2013(牝、父タイキシャトル、川向髙橋育成牧場生産)が選ばれた。

　表彰式では主催者を代表して北嶋会長が｢本日は皆様のお力添えにより品評会を盛大に開催できたことに感謝申し上げます。今年はカタログの制作に力を入れて出品馬のカラー写真を大きくし、巻末には平取町生産馬の売り馬一覧を掲載して、販売販路の一助になればと全国の調騎会などへ配布しました。会員の皆様はさらに努力を続けて良質馬の輩出に励んでいただければと思います。そして、これから始まるせり市場において、平取産馬が高価格、高売却率で取引されることを願っています｣と挨拶。

　審査委員長を務めた山野辺場長は｢13頭とも良い馬で、講習会の効果があったと感じました。たてがみやあごひげなど手入れすることだけで、せりでの評価は販売価格が30％ほどアップすると思います。大勢の人が見る中で馬を立たせるのは大変ですが、馬を短いリードで抑えるのではなく、程よい距離感でオンオフを指示して立たせることを心掛けていただければと思います。品評会を開催することは、生産者のレベルアップ、せりでの売却率向上につながると思いますので、大変でしょうが来年以降も継続してほしいと思います｣と総評した。

　最優秀賞を受賞したびらとり牧場には、JRAやJBBA、平取町、日高振興局、JAびらとり、日高軽種馬農業協同組合が賞状や記念品を贈呈。さらに4名の受賞者には協賛企業から飼料、サプリメント、びらとり和牛、除草剤、農機具など山のような賞品が贈られた。