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ベルシャザールが社台スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2014年06月05日
  • 社台スタリオンステーションに到着したベルシャザール
    社台スタリオンステーションに到着したベルシャザール
  • 2015年シーズンから種牡馬として供用される
    2015年シーズンから種牡馬として供用される
  • 馬房から顔を出してリラックス
    馬房から顔を出してリラックス

 5月31日、安平町早来の社台スタリオンステーションにベルシャザール(牡6歳)がスタッドインした。来季から種牡馬として新たな生活をスタートさせる。

 29日に競走馬登録を抹消したベルシャザールは、30日午後に宮城県の山元トレセンを出発すると苫小牧市の社台ホースクリニックに立ち寄ってから社台スタリオンステーションに到着。馬運車から降ろされるとルーラーシップとロードカナロアに挟まれた馬房に導かれた。しばらくは右後肢の治療に専念するという。

 事務局の社台スタリオンステーションでは「無事到着して安心しました。来年の種付けシーズンまで時間があるので、故障箇所をしっかり治して万全の状態で新生活を迎えさせてあげたいと思います。芝でもダートでも実績を残したサンデーサイレンスの血が入ったキングマンボ系なので、ヴァーミリアンのイメージと重なるものがあります。黒光りした雄大な馬体をしていますので見栄えのする産駒が生まれてきそうですね。種牡馬としてもマルチな活躍を期待したいです」と夢を広げている。

 ベルシャザールは父キングカメハメハ、母マルカキャンディ、母の父サンデーサイレンスという千歳市の社台ファーム生産馬。母は2001年の府中牝馬S(G3)優勝馬で、2008年のクイーンC(Jpn3)で2着となったライムキャンディの半弟となる。

 競走成績は18戦6勝。2010年10月の新馬戦でデビュー勝ちを収めると、3戦目のホープフルSでナカヤマナイト、フェイトフルウォー、マイネルメダリストといった後の重賞勝ち馬を相手に2勝目を挙げてクラシック戦線に駒を進めた。東日本大震災の影響により阪神競馬場での開催となった2011年のスプリングS(G2)で2着に入り賞金を加算すると、ダービー(G1)ではオルフェーヴルの3着に健闘。しかし、菊花賞(G1)後にノド鳴りを発症。その後も左前脚の骨折や繋靭帯炎で長期休養を余儀なくされた。

 昨年5月にダート戦で復帰すると一気に才能が開花。6月に2年6か月ぶりに勝利をあげると、11月の武蔵野S(G3)で重賞初制覇。続くジャパンCダート(G1)ではワンダーアキュート、ホッコータルマエ、ニホンピロアワーズ、エスポワールシチー、テスタマッタ、クリソライトといったダートG1/Jpn1勝ち馬らを退けてG1初制覇を成し遂げ、JRA賞最優秀ダートホースも受賞した。

 今年はフェブラリーS(G1)3着を経てドバイワールドC(G1)に挑戦。帰国後、着地検疫入りしていた山元トレセンで右後肢浅趾屈筋腱の変位の症状が確認され、競走能力喪失の診断が下されたため現役続行を断念した。