新ひだか町で日高女性軽種馬ネットワークの講習会
日高管内の軽種馬牧場で働く女性によって構成される・日高女性軽種馬ネットワーク「馬女ネット」の講習会が5月19日、新ひだか町静内の日本軽種馬協会・静内種馬場会議室で行われた。
同団体の講習会は年に数回実施しており、その活動が認められ、今年から軽種馬経営高度化指導研修事業の対象となった。今回は日本軽種馬協会静内種馬場総合研修センター調査役の田中弘祐氏が講師を務め、「当歳馬の肢蹄異常の実態調査から」という題で座学講義が行われた。
当日は日高管内の様似町、浦河町、新ひだか町、新冠町から会員と、運営関係者合わせて約15名が集まり、参加者は午後1時から約2時間の講義を受けた。田中氏は自身で作成したパワーポイントのスライドを用い、数多くの写真やグラフをまじえて講義を進めた。講義の内容は歩様、外向・内向といった肢勢、ひざのズレであるOffset Knees、前望・後望の異常、クラブフットなどについてで、「ガラスの脚」とも言われるサラブレッドの脚部について、多岐に及ぶ専門的な話が展開された。また、肢蹄異常の発症と放牧地の硬さ、生まれ月、出産予定日、性別、削蹄の関連調査を紹介し、発症率の高いデータを伝えた。後半には盛況だったHBAトレーニングセール2014の回顧や分析、九州の馬産事情についても言及し、こちらの話題も関心を集めた。終了後は質問の場となり、参加者から削蹄による矯正や、妊娠馬の栄養過多と肢蹄異常の関連について、鋭い質問が寄せられていた。
講演を終えて田中氏は、「沢山の資料整理やパワーポイントの作成など、講義の準備は大変でしたが、積極的に質問・意見をいただき、やりがいの大きな会でした。参加者の皆さんには、今回紹介したデータを、牧場で是非生かして欲しいと思います。また機会があったら講演に協力したいです。」と、感想を話していた。講習会終了後も参加者からの悩みや質問を受け、熱心にアドバイスを送っていた。
同団体は今後の取り組みとして秋に、実績ある牧場の視察研修を予定しており、参加者及び新規会員を募集している。問い合わせは日高農業改良普及センター(電話0146-42-1489・担当エダ、カワタ)まで。