馬産地ニュース

ノーザンホースパークマラソン2014開催

  • 2014年05月20日
  • 約2,000人のランナーが参加した
    約2,000人のランナーが参加した
  • 馬たちもランナーを応援
    馬たちもランナーを応援
  • 坂路コースを走るトレイルランではデルタブルースが先導
    坂路コースを走るトレイルランではデルタブルースが先導
  • 普段走ることのできない牧場内がコース
    普段走ることのできない牧場内がコース
  • 一口馬主権をめぐってのじゃんけん大会
    一口馬主権をめぐってのじゃんけん大会

 北海道苫小牧市のノーザンホースパークでは5月18日、「ノーザンホースパークマラソン2014」が行われた。

 この大会は2011年より始まり、今年で4回目を数える。チャリティ大会で、集まった募金は国際NGO法人「難民を助ける会」に寄付している。

 当日は時折強い風が吹いたものの、晴れ時々曇りの天候で、心配された雨は降らなかった。午前7時の開場からランナーが続々と来場し、午前9時のペアラン(2.5km)を皮切りに、トレイルラン(7km)、ハーフマラソンという順でスタートが切られた。準備体操には大会会長の橋本聖子さんと大会アドバイザーの谷川真理さんがステージに立ち、約2,000人の参加ランナーへアドバイスを送った。

 競走馬の調教で使用する坂路コースを走るトレイルランは大会の名物種目で、今年もランナーの興味を誘った。ノーザンホースパークの乗用馬で、G1馬デルタブルースが今年も先導役を務め、ウッドチップが敷き詰められた屋内坂路コースをランナーが疾走した。中には立ち止まって写真を撮るランナーや、勝負服のデザインをしたTシャツ、騎手の格好をしたランナーも見受けられた。坂路を上り終えると、“これはキツい”、“馬も大変だろうなぁ”という声が上がっていた。

 ハーフマラソンのスタート前にはG1ファンファーレが鳴り、ここでも先導の乗用馬が華麗にコースを駆け抜けた。上位には実力あるランナーが入り、猫ひろしさんも“にゃー”とギャラリーの声援に応えながら、1時間14分36秒のタイムを記録した。給水地点には北海道らしく美瑛産ピーターコーンや牛乳が用意され、一時交通規制をして牧場地帯が広がる道路がコースとなった。ゴール付近には複数のポニーが並び、女性スタッフと一緒にランナーを励ました。

 各競技終了後には会場ステージで表彰式が行われ、今年も優勝者は馬に乗って登場し、場内からは大きな拍手が沸き起こった。プレゼンターは大会に出場した猫ひろしさんやモデルの矢原里夏さんらが務め、豪華な賞品が手渡された。ランナー向けに用意された飲食コーナーでは、朝・昼でメニューが分かれ、日胆千人鍋・スープカレー、ボローニャソーセージ・牛ヒレ肉の網焼き、梅ジャコラーメン、おにぎり、サラダ、バナナ、スポーツドリンク、ビールが並べられた。走り終えたランナーはゴールした充足感を胸に食事を満喫し、家族と一緒にテントを張って休息するランナーもいた。また、付近の温泉へシャトルバスも頻繁に運行し、疲労回復に一役買っていた。

 コース脇の子供イベント広場では、障害物競走や綱引き大会が行われ、大勢の子供でにぎわった。新装のポニー館では3回にわたってHAPPYポニーショーが組まれ、ポニーたちのユニークな演技にランナーが拍手を送っていた。午後からはステージでトークショーがあり、恒例のチャリティーオークションでは今年も中尾義信さん(ノーザンファーム事務局)が鑑定人を務め、セレクトセールのような流暢な進行にユーモアをまじえて会場を盛り上げた。池添謙一騎手、蛯名正義騎手、川田将雅騎手、角居勝彦調教師、松山康久元調教師、A.シュタルケ騎手、R.ムーア騎手に関するグッズなどが出品されると、競馬ファンと思しき参加者がどんどん手を上げ、2万円、3万円と競り上がった。また、ランナー対象のプレゼント抽選会、じゃんけん大会ではディープインパクト産駒を含めた複数の馬の一口馬主権がプレゼントされた。

 大阪から初めてこの大会に参加したという河上さんは、「友達の勧めで参加しました。コースからは北海道らしい風景を眺められて、走りながら、のどかで良いなぁと思いました。食事も美味しかったし、一口馬主プレゼントの企画もあって楽しめました。また来年も馬に会うことと合わせて、参加したいと思います。」と、感想を話していた。

 毎年、大会デーは東京競馬場でヴィクトリアマイル(G1)があり、発走時間になると会場に設置された大型ビジョンでその模様が映し出された。レースは主導権を握ったヴィルシーナが逃げ切って優勝。会場となったノーザンホースパークの社長で、大会運営に携わる吉田勝己さんは生産牧場・ノーザンファーム代表でもあり、大会の成功とG1制覇に満面の笑みを見せていた。レース後は多くのランナーから祝福の握手を受け、記念写真を求められていた。

 吉田社長は、「雨が降ることもなく、今年も良い大会になったと思います。いろいろな場面でランナーに喜んでもらえたし、食事も好評でした。また、多数のボランティアの方に協力いただき、感謝しています。毎年参加してくれる方もいて、安定した大会になってきましたし、また来年も開催したいです。ヴィルシーナも勝ってくれましたしね。大会をやるようになってから、よく生産馬がヴィクトリアマイルを勝っているんですよ。」と、一日を振り返っていた。