北海道トレーニングセール上場馬の調教ビデオ撮影とアナボリックステロイド検査が行われる
4月7、8日、浦河町西舎の軽種馬育成調教センター(BTC)日高育成調教施設において、北海道トレーニングセール上場予定馬の調教ビデオ撮影とアナボリックステロイド(AS)検査が行われた。
北海道市場では5月13日にJRA函館競馬場で開催するトレーニングセールにおいて、上場馬の健全性確保と市場の公正運営のため、ASの使用を禁止するとともに、調教ビデオ撮影時にAS検査を実施することを決定。陽性の場合は上場拒否とした。
7、8日のBTCでは2日間で約60頭が参加。調教ビデオ撮影は1600mのダートトラック馬場で、AS検査はBTC軽種馬診療所で実施された。
AS検査は日高軽種馬農業協同組合の獣医師が担当。マイクロチップ検査で個体を確認した後採血する手順で行われた。初めてだったが、日高軽種馬農業協同組合が日高各地の地域懇談会で周知徹底したほか、2月に北海道市場の主催でASについての講演会を開催するなどの取り組みにより、大きな混乱もなく検査はスムーズに行われていた。
ASは雄の精巣から分泌されるテストステロンの雄性化作用を抑え、蛋白同化作用を高めるように合成された薬物。未熟子馬の発育改善や外傷、術後の回復促進、消耗性個体の体質改善、貧血時の造血促進などに役立つとされた時期もあったが、現在では競走能力に大きな影響を与える可能性があることや、競馬の信頼性を損なう恐れがあること、繁殖障害の可能性を含んでいることなどが指摘されている。
10、11日には新冠町の日高軽種馬共同育成公社でも調教ビデオ撮影とAS検査が実施される。
調教ビデオの映像は、4月下旬に日高軽種馬農業協同組合のホームページ(http://www.hba.or.jp/)で公開するほか、DVDに編集されて購買関係者に配布される。