BTC育成調教技術者養成研修の第32期生開講式が行われる
4月8日、浦河町西舎にある軽種馬育成調教センター「軽種馬診療所」2階において、BTC育成調教技術者養成研修の第32期生開講式が行われた。
第32期生は49名の応募の中から選ばれた、18歳から28歳までの21名(男性17名、女性4名)。出身地は北海道1名、福島県1名、群馬県1名、埼玉県3名、千葉県3名、東京都1名、山梨県1名、長野県1名、静岡県1名、岐阜県2名、滋賀県1名、京都府1名、大阪府1名、富山県1名、広島県1名、福岡県1名で、21名中19名が昨夏に行われた体験入学会の参加者という。
開講式では研修生21名が紹介された後、BTC日高事業所の高松勝憲所長が入講を許可。続いて大平俊明BTC理事長が「近年、日本の競走馬の世界での活躍は目覚しいものがあります。凱旋門賞(G1)で2着になったエルコンドルパサー、オルフェーヴル、先日のドバイワールドカップデーではジェンティルドンナ、ジャスタウェイが勝利を収めました。これらの活躍の要因のひとつに育成調教技術の進歩があげられます。研修は厳しいですが一人の落伍者もなく、一人前の育成技術者になるという初心を忘れずに健康に気をつけて頑張ってください」と式辞を述べた。
来賓からは日高振興局の名取哲哉局長が「皆様は多くの希望者の中から、馬へかける情熱とその才能を見込まれて選ばれたと聞いています。競馬界を支えるホースマンとして仲間と協力しあい研修に励んでください」と祝辞。JRA日高育成牧場の山野辺啓場長は「この研修は楽しいことより厳しいことのほうが多いと思いますが、一緒にいる仲間同士励ましあって来年の修了式には一人も欠かすことなく卒業してほしい。そして、この研修が真のホースマンになる第一歩となることを祈念しています」と激励の言葉を贈った。
同研修は世界に通用する強い馬づくりのための調教育成技術者を養成することを目的に平成4年に開講。これまでの修了者数は443名を数え、そのなかからは育成牧場の経営者、牧場マネージャーなどとして活躍している者もいる。
1年間に及ぶ研修期間では、騎乗訓練、馬房清掃、馬の手入れ方法、ロンジング、ドライビング、競馬の仕組み、個体識別、馬の血統、馬の蹄、馬の運動生理、民間育成業者による講話といった学科のほか、普通救命講習会、防災訓練、つり大会、スキー実習、ホッカイドウ競馬見学、北海道市場見学などの課外研修を通じて、ホースマンとしての基本や社会人としての心得を学んでいく。
また、実技研修ではJRA育成馬に騎乗しての調教育成も経験。その締めくくりとしてJRA育成馬展示会ではJRA育成馬に跨っての騎乗供覧も行われる。