NAR年度代表馬ラブミーチャンが谷岡牧場で繁殖入り
3月7日午後3時頃、2009年、2012年と2度のNAR年度代表馬、2011年、2012年、2013年と3度のNAR4歳以上最優秀牝馬、2012年、2013年と2度のNAR最優秀短距離馬などに輝いたラブミーチャン(牝7歳)が、新ひだか町静内の谷岡牧場において繁殖入りした。
2月28日に笠松競馬場で引退セレモニーを行い、登録を抹消したラブミーチャンは3月6日午前、笠松競馬場の柳江仁厩舎から担当の森崎隆厩務員とともに馬運車に乗り込み、約30時間掛けて谷岡牧場に到着。新たな門出には馬主のドクターコパこと小林祥晃氏、谷岡牧場の谷岡康成社長などの関係者が駆けつけた。
愛馬の元気そうな姿を見届けた小林祥晃オーナーは「この間笠松競馬場で引退セレモニーを盛大に開催していただきましたし、これからは谷岡牧場さんにお任せして新たな生活をはじめることになりました。現役時代の思い出はたくさんありますが、全日本2歳優駿(Jpn1)と東北の皆さんを元気づけようと出走して優勝した昨年のクラスターカップ(Jpn3)が印象に残っています。このレースの後ラブミーチャンの眼つきが、もう仕事をやり遂げたようなやさしい感じになりました。また、地方競馬でこの馬の仔が走って活躍してくれたらと思っています」と労っていた。初年度の交配相手は日本軽種馬協会静内種馬場に供用されているエンパイアメーカーを予定しているという。
ラブミーチャンは父サウスヴィグラス、母ダッシングハニー、母の父アサティスという血統で、新ひだか町静内のグランド牧場生産馬。2008年の北海道市場サマーセール(サラブレッド1歳)において、3,150,000円(税込)で取引された市場取引馬となる。
競走成績は34戦18勝。2009年にデビューすると無敗で全日本2歳優駿(Jpn1)、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)を制覇し、NARグランプリ2009の年度代表馬に2歳馬として初めて選ばれるという偉業を成し遂げた。2012年には東京盃(Jpn2)を制して2度目のNAR年度代表馬を受賞。2013年は東京スプリント(Jpn3)、クラスターC(Jpn3)を勝ったほか、スーパースプリントシリーズでは、「名古屋でら馬スプリント」、「習志野きらっとスプリント」の3連覇を達成した。デビューから引退までの競走生活では、笠松のほか、名古屋、川崎、大井、船橋、浦和、盛岡、門別、園田、佐賀、高知、JRA京都、JRA阪神、JRA函館と全国14の競馬場に出走。地方競馬を代表するスプリンターとして大活躍した。
地元・笠松ではラブミーチャンの栄誉を讃え、古田肇岐阜県知事が小林祥晃オーナーに感謝状を贈呈。また笠松競馬を主催する岐阜県地方競馬組合は、2014年11月11日に実施予定の「第38回プリンセス特別」のレース名を、「第1回ラブミーチャン記念」に改名して実施することを決定している。