サマーバードが死亡
2009年の米国3歳牡馬チャンピオンで、2013年から日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されていたサマーバード(7歳)が米国での初年度産駒デビューを目前に控えた2013年12月23日夕方、変位疝のため死亡した。
サマーバードは、ちょっとばかり古き良き時代の米国競馬の香りを残す馬だった。筋肉質タイプの栗毛の馬体。節々は太くたくましく、力強さに満ちていた。
父のバードストーンと父子2代連続のベルモントステークス優勝馬。祖父のグラインドストーンはケンタッキーダービー馬で、その父アンブライドルドもケンタッキーダービーに勝っている。米国屈指のクラシックサイアーラインだ。一方の母系もルビアノ(1992年米チャンピオンスプリンター)やタピット(米チャンピオンサイアー)、リローンチ(名種牡馬)らが名を連ねる名門ファミリーだ。
通算成績は9戦4勝。デビュー間もない頃は短い距離を使われたことも多少は影響していたようだが、追い込んで届かないレースをしていたが、やがて先行力を身に付けて安定した成績を残すようになった。三冠最後のベルモントS(G1)に優勝し、トラヴァーズS(G1)、ジョッキークラブゴールドカップ(G1)では力を付けてきたクオリティロードを相手に格の違いを見せつけるかのようなレースぶりで下して3歳牡馬最強を強く印象付けた。
BCクラシック(G1)は、初めて経験するオールウェザーの馬場に戸惑いながらもデビューから不敗の13連勝中だったゼニヤッタや米芝牡馬チャンピオンのジオポンティなどを相手に見せ場たっぷりの4着。高い競走能力を示した。
その後、サマーバードはジャパンCダート(G1)を目指して来日したが、レース前に右前脚を骨折。日本の競馬ファンにその雄姿を披露することなく現役を引退して2011年から米国で種牡馬となった。
実質的な競走生活は、わずか8か月。種牡馬としても米国で2世代、日本で1世代のみを残して逝ってしまった。
日本軽種馬協会の中西信吾場長は「23日の朝から疝痛の症状を訴え、懸命の治療を行ってきましたが、残念ながら助けることはできませんでした。初年度より大きなご期待・ご支持をいただいた皆様に深く感謝申し上げます。今年も多くの配合申し込みをいただいており、期待の大きな種牡馬だっただけに残念でなりません。来年誕生する産駒の活躍を心から願います」とコメントしている。