平成25年度道南ブロック大動物講習会が開催される
12月12日、新ひだか町静内の日高生産連ビル3F第一会議室において、「平成25年度 道南ブロック大動物講習会」が開催された。
講習会は(公社)北海道獣医師会日高支部(駒澤弘義支部長)の主催で、日高獣医師会が後援。日高支部のほか胆振・空知・石狩・十勝支部の獣医師や牧場関係者など100名以上が出席した。
講習会のテーマは「馬の分娩について」。講師はJRA日高育成牧場の頃末憲治氏、ノーザンファームの津田朋紀氏の2名で、座長はNOSAI日高家畜診療センターの樋口徹氏が務めた。
講師の頃末氏と津田氏は10日に新ひだか町静内の静内エクリプスホテル(旧静内ウエリントンホテル)で開催された静内軽種馬生産振興会主催の講習講話会でも講師を務め、牧場関係者向けに講演。獣医師を対象にした今回は、より専門的なところまで掘り下げての講演となった。
開会に先立ち主催者を代表して駒澤弘義支部長は「頃末先生と津田先生におかれましては公務ご多忙のなか、ご臨席いただき感謝申し上げます。本日のテーマは皆さん大変興味をもたれていることと思います。講演の後には総合討論もございますので、活発な意見交換の場になることを期待しています。」と挨拶。座長の樋口氏は「昨年は牛の分娩について講習会を開きましたが、日高は馬が多いので今年は馬の分娩をテーマにしました。牛も馬も分娩は危ないものであり、生産の一大イベントでもあります。私が日高に来たころの分娩は、1週間以上も厩舎に寝泊りして、出産が始まるとなると電気を煌々と照らして近所から人を呼んで、羊膜が出てきたら破き、肢が見えたら引っ張り、子馬を母親の鼻先に近づけてなめさせるということをしてました。いまではカメラでの監視が普及し人の労力は減ったと思います。本日は馬の分娩についてどういう方法が望ましいのか少し考えてみたいと思います。10日の生産者向けの講習会と少しテーマは被りますが、生産者、獣医師が同じ話を聞いて情報を共有することは良いことと思います。総合討論では牧場に勤務する獣医さんにも加わっていただき、牧場ではどのようなことをしているのか、いろいろディスカッションできればと考えています。」と講習会の趣旨を説明した。
「日高育成牧場における分娩管理-分娩予測およびに分娩前後の管理-」について講演した頃末氏は、日高育成牧場で実践しているライトコントロール法、pH値の測定やBrix値(溶液中の可溶性固形分の%濃度)の測定による分娩予測方法、分娩監視方法、分娩方法、分娩直後の扱い方法などを紹介。「母子の絆を尊重した分娩管理」について講演した津田氏は、ノーザンファームで取り入れている過剰な介助を行わない分娩、APGARスコアリング導入の効果、30分で乳母つけする試みなどを発表した。