新冠町で馬をテーマとしたコンサート「パストラル」が行われる
12月1日、新冠町のレ・コード館では馬をテーマとしたコンサート、「とねっこピアノコンサートVol.4『パストラル』~とねっこがうまれたよ~」が行われた。
このコンサートはとねっこピアノコンサート実行委員会の主催で、今年で4回目を数える。北海道地域づくり総合交付金助成事業(北海道日高振興局)の一つで、ホッカイドウ競馬、JRA日高育成牧場、馬女ネットが協力している。10月20日に門別競馬場で行われたワークショップ(馬の学習会)と連動しており、馬産地の子供たちの地域文化学習を推進している。
当日は午後2時の開場から約350人が来場し、新冠町の小竹国昭町長、新ひだか町の酒井芳秀町長、浦河町の前町長でワークショップに協力した谷川弘一郎氏も駆けつけていた。
演奏プログラムは2部構成で、第1部「仔馬が生れたよ!」、第2部「競走馬になるために」とし、競走馬が誕生してデビューするまでのストーリーを描くように、全24曲が来場者の耳に届けられた。演奏にあたったのは日高・胆振の幼児~高校生で、「牧歌」、「わたしの仔馬」、「おお牧場はみどり」、「貴婦人の乗馬」、「ギャロップ」、「草競馬」、「勇敢な騎手」などを弾いた。
終盤では第58回北海道吹奏楽コンクールで金賞を獲得した北海道静内高等学校・吹奏楽部が、11月14日の道営記念(H1)に続いて「ホッカイドウ競馬重賞ファンファーレ」と「見上げてごらん夜の星を」を演奏し、拍手喝さいを浴びた。また、今年も札幌交響楽団員による弦楽四重奏「ノンノン・マリア」が随所に登場し、子供たちと共にプロの素晴らしい技術を披露した。
今回は新冠町での開催とあり、第2部の10番目には新冠町産の名馬ハイセイコーが引退する際に作られた「さらばハイセイコー」がラインナップされた。演奏は「ノンノン・マリア」と北海道静内高等学校・吹奏楽部が担い、歌はビッグレッドファーム・グループ代表の岡田繁幸氏が歌声を披露した。歌に先立って岡田氏は当時のハイセイコー人気や生い立ちなどに触れ、「ハイセイコーは昔、地方競馬から破格の値段で取引されて中央競馬に入った馬です。当時、山口百恵さんと同じぐらい人気のある馬でした。日本ダービーや菊花賞では負けましたが、いつも一生懸命に、真面目に走るその姿を見て、どんどん応援するファンが増えていきました。ラストランの有馬記念では、『さらばハイセイコー』という歌がテレビ中継で流れて、見ていて本当に感動的でした。晩年、余生を過ごした明和牧場では、私が牧場を購入した縁で、ハイセイコーを2年ほど面倒みていました。亡くなった後も毎年多くの方がお墓参りにいらっしゃって、ニンジンやリンゴを置いていかれます。」と、懐かしげに語っていた。
全ての演奏終了後には秋に作品を募集した「馬の絵コンテスト」の表彰式が行われ、岡田繁幸氏や審査員を務めた飛渡さゆり氏が子供たちに表彰状、記念品を手渡した。演奏会場となったホール前のロビーでは、子供たちによる力作の絵画が終日展示され、多くの方が画用紙に彩られた馬に視線を合わせていた。