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タニノギムレットがレックススタッドに移動

  • 2013年12月04日
  • 11年間過ごした馬房で最後の手入れを受けるタニノギムレット
    11年間過ごした馬房で最後の手入れを受けるタニノギムレット
  • 地下道を抜けて馬運車に乗り込んだ
    地下道を抜けて馬運車に乗り込んだ
  • スタッフが総出で見送り新天地での活躍を祈った
    スタッフが総出で見送り新天地での活躍を祈った

 11月30日、タニノギムレット(牡14歳)が安平町早来の社台スタリオンステーションを退厩し、新ひだか町静内のレックススタッドに移動した。来季から新天地で種牡馬生活を送る。

 タニノギムレットは父ブライアンズタイム、母タニノクリスタル、母の父クリスタルパレスという血統。おじには1988年の朝日チャレンジC(G3)、1989年の北九州記念(G3)を制覇したタニノスイセイ、同世代にはシンボリクリスエス、ノーリーズン、ヒシミラクル、ゴールドアリュール、テレグノシスなどがいる。

 タニノギムレットの競走成績は8戦5勝。2001年12月にデビュー2戦目で初勝利を飾ると、2002年のシンザン記念(G3)で重賞初制覇。さらにアーリントンC(G3)、スプリングS(G2)と重賞競走を連勝。1番人気に支持された皐月賞(G1)、NHKマイルC(G1)は残念ながらともに3着に敗れたが、ダービー(G1)では後方から豪快に差し切って優勝を果たした。

 現役引退後の2003年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りすると、初年度産駒から牝馬としては64年ぶりにダービー馬となった歴史的名牝ウオッカを輩出。史上初となる父娘二代ダービー制覇を成し遂げた。ほかにもスマイルジャック(スプリングS(Jpn2))、ミッドサマーフェア(フローラS(G2))、クレスコグランド(京都新聞杯(G2))、ヒラボクロイヤル(青葉賞(Jpn2))、オールザットジャズ(福島牝馬S(G3))などの重賞勝ち馬を送り出し、大種牡馬ブライアンズタイムの後継として高い支持を得ている。

 2003年の種牡馬入りから11年間過ごした馬房で最後の日を迎えたタニノギムレットは、スタッフから入念な手入れを受け時間まで待機。出発の準備が整うと厩舎から種付け所前、事務所前、地下道を抜けてレックススタッドが手配した馬運車に乗り込んだ。愛馬の旅立ちには角田修男場長以下スタッフが総出で見送り、新天地での活躍を祈った。

 11年間管理した社台スタリオンステーションでは「初年度産駒からダービー馬ウオッカを出すなどブライアンズタイムの後継として素晴らしい活躍をしてくれました。レックススタッドはタニノギムレットが生まれた静内にあるので、生まれ故郷に戻って頑張ってくれることと思います。」と新天地での活躍を期待していた。

 タニノギムレットを迎え入れた事務局の(株)レックスでは「タニノギムレットはほかの種牡馬の検疫の関係で数年前のシーズンオフに短期間だけ当スタッドで繋養していたことがありました。日高を代表する大種牡馬ブライアンズタイムが亡くなった年に、その後継としてタニノギムレットが静内に移ってくるというのも因縁めいたものを感じます。預託してくださった関係者には感謝の気持ちでいっぱいです。その関係者の期待に応えるためにも優秀な産駒を送り出せるようしっかり管理していきます。」と心を燃やしていた。