馬産地ニュース

新設重賞・ブロッサムカップはラブミーブルーが制す

  • 2013年11月20日
  • 人気に応えて快勝したラブミーブルー
    人気に応えて快勝したラブミーブルー
  • レース後、引きあげてくる人馬
    レース後、引きあげてくる人馬
  • 馬名に合わせて青い手綱、メンコ、バンテージ
    馬名に合わせて青い手綱、メンコ、バンテージ
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 今季の開催最終日を迎えた11月14日、門別競馬場では新設重賞・第1回ブロッサムカップ(H3)[ジャングルポケット賞]が行われた。2歳牝馬限定で、距離はダート1,200m。

 ホッカイドウ競馬の総決算・道営記念(H1)のアンダーカードとして組まれ、14頭が顔を揃えた。1番人気は前走・エーデルワイス賞(Jpn3)で地方馬最先着を果たしたラブミーブルーで、短距離重賞ではこれまで4・5・2着と好走歴が光る。2番人気は2連勝中のトチノタイヨー、3番人気は今年の2歳戦勝ち馬第1号のアイアンガールと続き、新種牡馬パイロの産駒でメンバー中最も重い馬体重のリンノフォーマリアが4番人気に推された。

 スタートはバラつき、3、4頭が出遅れた。好ダッシュを決めたのはラブミーブルーとシンワシュシュだったが、二の脚と内枠を生かしてアイアンガールがハナを奪い、先団~中団はひとかたまり。トチノタイヨー、リンノフォーマリアは馬群の真ん中を追走した。勝負所に入ってからもアイアンガール、ラブミーブルーが脚色良く後続を引っ張り、好位勢もエンジンをかけて直線へ。ムチが入るアイアンガールを横目に、ラブミーブルーの宮崎騎手はまだ楽な手応えで、200mのハロン棒を前に一気に抜け出すと、そのまま2番手以下を突き放していく。古川浩アナウンサーの実況から「独走!」の言葉が発せられた。差は広がり、牡馬のように力強いフットワークでラブミーブルーが先頭ゴールを決めた。4馬身ちぎられた2着にはリンノフォーマリアが入り、最後方にいたハーブティーが人気薄ながら3着まで追い込んだ。勝ち時計は1分13秒1(やや重馬場)。

 優勝した宮崎光行騎手はレース後のインタビューで、「スタートだけに気を付けましたが、良いスタートを決めてくれて、あとは跨るだけといった感じですね。地元馬同士なら負けられないなと思いましたし、まだまだ良くなると思います。」と、更なる良化の余地を示唆した。宮崎騎手自身、今年の重賞Vはクリノエリザベスで制したリリーC(H3)、ハッピースプリントで制したサンライズC(H3)、北海道2歳優駿(Jpn3)に続いてのもので、ベテランの技術を生かすように若き2歳馬で再び大仕事を果たした。

 サウスヴィグラス産駒のラブミーブルーは昨年のサマーセール取引馬。当時、157万5,000円(税込)で落札され、小林祥晃氏が所有している。奇しくも2着のリンノフォーマリアも同じ日のサマーセールでラブミーブルーが登場してから4頭後の上場馬で、且つ同額で落札された。

 ラブミーブルーの生産者であるサンローゼンの長浜謙太郎さんは、現地・門別競馬場でその走りを見守っていた。「優勝できて嬉しいです。この馬に関わってくれた全ての皆さんのおかげだと思います。一つ一つの縁や巡り合わせが、今回の勝利につながりました。口取りでは周りからお祝いの声をかけられて、本当に感動しました。牧場時代は丈夫で手のかからない馬でしたね。これからも無事に走ってきて欲しいと思います。」と、眼前での重賞制覇に喜びを露わにしていた。新冠町にある同牧場には同馬の半妹にあたる当歳(牝、父ファスリエフ)が順調に育っており、来年のせり上場を予定している。