道営記念の前哨戦・瑞穂賞はバルーンがレコードV
10月17日、門別競馬場では今季のホッカイドウ競馬クライマックスを飾る道営記念(H1)[アドマイヤムーン賞]に向けての前哨戦、第46回瑞穂賞(H2)[エンパイアメーカー賞]が行われた。距離はダート1800m。
今年のメンバーは3歳~9歳の11頭。1番人気は昨年の赤レンガ記念(H2)の勝ち馬カネマサゴールドで、夏から2連勝中でレースに挑む。過去、JRA重賞に出走歴があり、ホッカイドウ競馬転入後早々に2勝をマークしたバルーンが2番人気。同じく転入後好調なビービーガザリアスが3番人気に続き、近走の凡走を払拭したい北海優駿馬ミータローが4番人気の支持を得た。
レース序盤は紅一点のピンクデージーがハナを奪い、エイシンナナツボシ、ビービーガザリアスがいつものように先行策、バルーンは4番手につける。中団グループはかたまり、カネマサゴールド、ミータローが脚をためる。向正面に入ると馬群はバラけ、先頭からしんがりまでは15馬身ぐらいの隊列。3コーナーに入ってピッチが上がると、後ろで待機していた馬も前に押し寄せ、中でもバルーン、ミータローが脚色良く直線へ向く。最後の争いは勝負所で一気に勢いがついたバルーンが抜け出し、残り200mで先頭に立つ。逃げるピンクデージーは失速し、人気のミータロー、カネマサゴールドも伸びはひと息。対照的に前々にいたエイシンナナツボシが粘り強く踏ん張り、ゴールはバルーン、エイシンナナツボシの順でフィニッシュ。最後方待機から末脚を伸ばしたグッドグラッドが3着に食い込んだ。2番人気、10番人気、7番人気の決着で、馬券は波乱。勝ち時計は1分51秒4(重馬場)のレコードタイムだった。
優勝に導いた井上俊彦騎手はアウヤンテプイとのコンビで制した道営スプリント(H2)に続き、10月の門別重賞を2つ奪取した。表彰式では、「道中は折り合いに気を付けて騎乗しました。3コーナーで手前を替えた時に勝利を意識しました。素直さがこの馬の長所で、今より折り合い面の課題がクリアできれば、もっと能力を発揮できるでしょう。(道営記念は)2,000mの距離次第で楽しみだと思います。」と、パートナーについて語った。管理する林和弘調教師は、バンブーボカで制した2005年以来の同レースVとなった。
本馬の生産は日高町の白瀬明さん。門別競馬場に駆けつけていた白瀬さんは、「ゴールの瞬間は“やった”という気持ちでしたね。人気にもなっていましたし、期待して見ていました。この調子で次走も頑張って欲しいと思います。」と、喜びを語っていた。オーナーは同じく日高町の白井牧場代表・白井岳さんで、口取りには重賞初制覇を待ち望んでいた牧場関係者が大勢並んでいた。