サンライズカップはハッピースプリントがまくり勝ち
門別競馬場では10月15日、第13回サンライズカップ(H3)[アイルハヴアナザー賞]が行われた。距離はダート1700m。
来月に行われる北海道2歳優駿(Jpn3)の前哨戦として、地元所属の2歳馬10頭が集結した。単勝1.3倍の断然の支持を集めたのはアッミラーレ産駒のハッピースプリントで、JRA遠征の函館2歳S(G3)、コスモス賞では5着に敗れたものの地元戦では負けなし。デビュー前から評判が高く、今季の門別デビュー馬トップクラスの一頭と目されている。2番人気・3番人気はともにデビューから2連勝中のアドマイヤドン産駒。前者ダンスパフォーマーは半兄に毎日杯(G3)優勝馬アイアンルックを持ち、後者ドミヌスは羽田盃(S1)優勝馬アウトジェネラルと同じく父アドマイヤドン、母の父サンデーサイレンスという血統構成。素質馬のぶつかり合いに注目が集まった。
スタートはほぼ揃った飛び出しで、各馬思い思いの位置取りへ。前日の盛岡・マイルCS南部杯(Jpn1)と同じく古川浩氏の実況のもと、ファンが見守るスタンド前を颯爽と駆け抜けていく。前走同様にエイシンホクトセイがハナを奪い、向正面に入ると馬群はバラけた。ダンスパフォーマーは好位につけ、ドミヌスは中団。全体を見ながらハッピースプリントは後ろからレースを進める。3コーナーに入ると馬群は固まり、左ムチの入ったハッピースプリントはギアチェンジするように押し上げ、あっという間に逃げるエイシンホクトセイに迫る。最後の直線では横綱相撲をとるようにハッピースプリントが伸び、大きなストライドで突き放していく。エイシンホクトセイも懸命に粘るも盛り返せず、後続に2馬身1/2差をつけてハッピースプリントが先頭ゴールを切った。2着はエイシンホクトセイが踏ん張り、外目からじわじわ伸びたダンスパフォーマーが3着に入った。勝ち時計は1分49秒0(良馬場)。
騎乗した宮崎光行騎手は表彰式のインタビューに答え、「思っていた展開とは違いましたが、ヒヤっとするというよりは、これでも大丈夫だろうなという気持ちで乗っていました。この馬の能力を信頼していましたからね。エンジンがかかった時点で勝てると思いました。JRAで戦ってきたことが、良い勉強になりました。追い出してからの反応は良く、道中の折り合いもついていました。かなりパワーのある馬ですし、次の北海道2歳優駿(Jpn3)も頑張ります。」と、交流重賞制覇へ意欲を燃やしていた。今季の重賞Vはクラキンコでのノースクイーンカップ(H2)、クリノエリザベスでのリリーカップ(H3)に続いて3勝目となった。
ハッピースプリントの生産は浦河町の辻牧場で、所有も兼ねている。Dayjur肌の母マーゴーンはこれまで13頭の仔を出産しており、同馬は11番目の仔にあたる。半姉クリスサルーと半兄スズカマジェスタ(現役)はJRAで2勝を挙げている。また、3代母Classy’n Smartの一族からは、ダート交流重賞馬ラヴェリータが出ている。先週のエーデルワイス賞(Jpn3)を制したフクノドリームに続き、2週連続で浦河産2歳馬が強い勝ち方を決め、今回も口取りには大勢の牧場関係者が立ち並んでいた。