ブリーダーズゴールドカップはハタノヴァンクールが快勝
門別競馬場では夏のグランシャリオナイターを飾る交流重賞・第25回ブリーダーズゴールドカップ(Jpn2)が行われた。1着賞金3,200万円は今年のホッカイドウ競馬重賞の中で最も高く、毎年豪華メンバーが揃うことで知られる。距離はダート2,000m。
今年の出走馬はJRAから4頭、船橋から1頭、迎え撃つホッカイドウ競馬勢3頭の8頭。1番人気は同レース3連覇を狙うシビルウォー(JRA)で、パドックでは8歳馬にして古豪健在の馬体をアピールしていた。差のない2・3番人気はともに父キングカメハメハ、母の父ブライアンズタイムという血統の牡馬。メンバー中唯一のJpn1馬であるハタノヴァンクール(JRA)は、4歳にして層の厚いダート中長距離の一線級で戦い、ここに入っても当然主力と目された。6歳のグランドシチー(JRA)は強烈な追い込みを武器とし、目下の躍進が目立っている。地方馬では地元重賞連勝中のスーパーパワー(北海道)が5番人気の支持を集めた。
レースは地の利を生かすようにエイシンナナツボシ(北海道)が軽快に逃げ、ランフォルセ(JRA)が2番手を追走。3番手にシビルウォーがつけ、馬群の真ん中にハタノヴァンクール、中団にグランドシチーが続いた。向正面では隊列が長くなり、先頭から最後方のスーパーパワーまで約20馬身近く広がった。徐々にピッチが上がり、3コーナーを過ぎると逃げるエイシンナナツボシがつかまって、ランフォルセが手応え良く浮上。それを目がけてシビルウォー、ハタノヴァンクール、グランドシチーら後続勢が一気に仕掛け、直線に向かう。残り200mまでランフォルセ、シビルウォー、ハタノヴァンクールが僅差で叩き合い、やや遅れてグランドシチーが追い上げる。一流古馬による激戦に、場内は大歓声。最後はハタノヴァンクールが馬場の真ん中を突き抜け、栗毛を輝かせながらゴールを切った。2着に食い下がったシビルウォーもよく伸びたものの、今回は勝ち馬の決め手が上回った。積極的な競馬で見せ場を作ったランフォルセが、グランドシチーの末脚をしのいで3着に粘った。勝ち時計は2分4秒9(良)。
優勝した四位洋文騎手は表彰式のインタビューに答え、「涼しい函館で調整していましたし、馬には元気があり、返し馬の感触も良かったです。シビルウォーを見ながらレースをしようと考えていました。道中、楽に動いていけましたし、直線はいつもの強いヴァンクールを見せられたと思います。次、大きなところでもこれぐらいのパフォーマンスを目指したいです。」と、感想を語った。四位騎手自身は今回の勝利でまた一つ、重賞勝ちの競馬場を増やす結果となった。
ハタノヴァンクールの生産は日高町のグッドラック・ファーム。現地でレースを見守った羽田和男場長は、「地元の競馬場で重賞を勝ってくれて、本当に嬉しいです。強いヴァンクールの走りでした。」と、記念品を手に喜びを語った。同レースではハタノヴァンクールと、その半兄ハタノゼフィロスも出走しており、兄弟でレースを盛り上げる結果となった。同牧場では母ハタノプリエが現在も繁殖生活を送っており、今年は父ハービンジャーの牡馬が誕生している。「当歳は芝向きの特徴を感じています。素質は高そうです。」と、羽田場長は期待を込めている。ハタノプリエは今年もハービンジャーを種付けし、無事受胎しているという。