セレクトセール当歳が開催される
「セレクトセール2013」の2日目。7月9日は当歳セール。
この日は上場頭数220頭(牡151頭、牝69頭)のうち、166頭(牡117頭、牝49頭)が売却され、75.5%の売却率を記録。総売上は56億400万円(税抜、以下同)で、1頭あたりの平均価格は3,376万円。売却頭数、売却率、平均価格ともに前年を上回った。
最高価格馬は母が米国年度代表馬で競馬の殿堂入りも果たしている「アゼリの2013」(牡、父ディープインパクト)。鑑定人の「8,000万円からお願いします」という声を遮るように「1億」「2億」「2億2,000万円」と声がかかり、最終的には2日間を通しての最高価格となる2億4,000万円で(有)デスクパレットが購入した。同社の田辺滋久さんは「血統、馬体、顔つきと完璧な馬。ディープインパクトの良いところをそのまま受け継いでいる。種牡馬となることが約束されたような馬です」と狙っていた馬の落札を果たし、満足そうに語った。
これに続いたのはアルゼンチンのG1レース3勝馬を母に持つ「マルペンサの2013」(牡、父ディープインパクト)。近親にも南米のG1勝馬が名前を連ねる名門ファミリーで、多くの人から注目を集めるなか2億3,000万円で里見治氏が落札した。「目標はクラシックです。走るだけではなく、人気で出走して欲しいです」と期待に胸を膨らませている。
高額3位は「リリーオブザヴァレーの2013」(牡、父ディープインパクト)。2歳でデビューした母は3戦目に勝ち上がると7連勝で欧州のG1ウイナーにまでのぼりつめた。激しい争奪戦が繰り広げられたが、島川隆哉氏が1億9,000万円で購入した。「素晴らしい馬だと思いました。(一緒にいた)母親も欲しいと思ったほどです」とコメント。
また、牝馬ではディープブリランテの全妹になる「ラヴアンドバブルズの2013」(牝、父ディープインパクト)が1億500万円で窪田芳郎氏によって落札された。
2日間の総売上は117億6,470万円。3日間開催だった2006年の売上を超えるセールレコードとなった。1億円超えは13頭。うち10頭がディープインパクトの産駒だった。
セール終了後、吉田照哉市場長は「売却率、総売上ともにレコードを塗り替える結果に信じられない気持ちです。ディープインパクトをはじめ、信頼できる種牡馬の仔を多く上場できたことが、国内外の購買者にアピールできたのではないかと思います。これからはセール取引馬が世界の舞台で活躍することで、海外のバイヤーに認められるようなせりになっていくと思います」と満面の笑みで2日間を締めくくった。