ブライアンズタイムのお別れの会が執り行われる
6月19日、新ひだか町静内の桜舞馬公園(オーマイホースパーク)において、4月に放牧中の事故のため28歳で死亡したブライアンズタイムのお別れの会が執り行われた。
お別れの会にはブライアンズタイムを管理したアロースタッドの藤原悟郎代表取締役やスタリオンスタッフ、田中裕之静内軽種馬生産振興会副会長、ブライアンズタイムの産駒で1994年のオークス馬チョウカイキャロルを生産した谷川牧場、2012年のエリザベス女王杯(G1)優勝馬レインボーダリアを生産した大栄牧場、1996年の朝日杯3歳S(G1)優勝馬マイネルマックスを生産したサンコウ牧場などの旧シンジケート会員、一般ファン、関係者など約30名が参列。公園内にある馬魂碑の前に設けられた祭壇の前で、新冠町の山口順昭馬頭観音寺住職が読経を唱え、参列者とともに冥福を祈った。
焼香後、アロースタッドの藤原悟郎代表取締役は「ブライアンズタイムは本年4月4日午前中にアロースタッドの放牧地で転倒して右大腿骨骨折し、予後不良の診断を受け11時50分、安楽死となりました。28歳でした。数年前より白内障、難聴を患っておりましたが、体は元気で高齢ながら今年も9頭に種付けしていました。元気だっただけに本当に残念でなりませんでした。
1985年にアメリカのケンタッキー州で生まれたブライアンズタイムは、フロリダダービー(G1)など5勝をあげ、1990年に日本に種牡馬として導入しました。初年度産駒から3冠馬のナリタブライアン、そして、サニーブライアン、タニノギムレットと3頭のダービー馬の父になり、年度代表馬になったマヤノトップガンなど16頭のG1ホースの父になりました。種牡馬成績は12年連続で3位以内をキープ、20年連続で重賞勝ち馬を輩出し、その記録はいまも更新中です。勝ち鞍はサンデーサイレンス、ノーザンテーストに次いで3位と、これらがブライアンズタイムの偉大さを物語っていると思います。
ブライアンズタイムは1990年のシンジケート結成以来、会員や生産者から多大なご支援をいただき、幸せな一生だったと思います。そしてわれわれも産駒に多くの夢を託し、多くの利益も受けました。本当に心から感謝しています。今日、この場で永久に安らかに眠ってほしいと願っています」と挨拶。
つづいて田中裕之静内軽種馬生産振興会副会長が「ブライアンズタイム殿、あなたは小柄な体格にもかかわらず、1988年のフロリダダービー(G1)では名馬フォーティナイナーを破り、1990年に種牡馬として導入されて以来、日本では数多くの名馬の父、母の父となったことは、偉大な功績として永遠に歴史に刻まれることでしょう。昨年11月にレインボーダリアがエリザベス女王杯(G1)に勝利し、ブライアンズタイム産駒の20年連続重賞制覇を達成したことは記憶に新しい出来事です。これからは輝く光となり時を越えて、あなたの子孫たちが活躍する姿を、千の風となって応援してください。そして、われわれ静内軽種馬生産振興会は、毎年9月にあなたの記念碑に感謝の気持ちとご冥福を祈り、お花をたむける慰霊祭を行うことを誓います。どうか安らかに永遠の眠りについてください。最後にブライアンズタイム殿、長い間本当にありがとうございました」と弔辞を読み上げた。