日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設に輸出馬が入厩
6月11日午後、白老町社台の日本軽種馬協会胆振輸出検疫施設に、シンガポールへ輸出される2歳馬が入厩し、輸出に向けた検疫に入った。
胆振輸出検疫施設は今年1月に胆振種馬場から海外輸出検疫施設に業務変更。検疫施設面積は2万1500㎡で、既存の繁殖牝馬繋留厩舎8馬房と種牡馬厩舎4馬房に加え、旧種付所に18の仮設馬房を新たに設置し、最大30頭が管理できる輸出検疫所に生まれ変わった。さらに施設には、サンシャインパドック30基、動物侵入防止フェンス、ゲート型消毒装置、ウォーキングマシーン1基を完備。来たるべく国際化時代に備え磐石の態勢を整えた。
今回入厩した2歳馬は、ブラックタイド、キャプテンスティーヴ、バゴ、ハイアーゲーム、フレンチデピュティらの産駒8頭。昨年の1歳市場でシンガポールの馬主が購買した馬などで、8頭は胆振輸出検疫施設で検疫を受ける最初の輸出馬となった。
2歳馬を積んだ馬運車はゲート型消毒装置を通過し施設内に到着。馬運車から降ろされると旧種付所内の仮設馬房へ連れて行かれ、12日からはじまる検疫の準備に入った。
シンガポールへの輸出検疫期間は96時間。検疫終了後は陸路で本州へ移動し、18日に成田空港から出航する。輸出検疫施設の管理業務は胆振軽種馬農業協同組合に委託して行われる。
胆振輸出検疫施設の責任者である日本軽種馬協会静内種馬場の中西信吾場長は「全馬無事に入厩したと聞いて安心しました。地理的にも新千歳空港や苫小牧港に近いので、今まで以上に利便性が高まりました。これからも多くの方に利用していただきたいと思います。そして、日本産馬が海外で活躍することを期待したいです」と話していた。