北海優駿はミータローが完勝
“ダービーウイーク”として全国各地の地方競馬で3歳馬の頂上決戦が行われている。6月4日はホッカイドウ競馬のダービー、第41回北海優駿(H1)[ディープスカイ賞]が門別競馬場で行われた。
今年は門別ダート2000mの舞台に11頭の3歳馬がエントリー。1番人気は昨年の2歳戦勝ち馬第1号のミータローで、クラシック第1冠目の北斗盃(H2)2着からの巻き返しを期待された。デビューから4戦全て3着以内のステイゴールド産駒レオニダスが2番人気、2連勝中の勢いと、大舞台経験豊富な五十嵐冬樹騎手への乗り替わりが怖いストロングサンデーが3番人気に続き、“ダービーウイーク”オリジナル・ファンファーレを待った。
レースはストロングサンデーがジワっとハナを奪い、川崎から遠征したヴィクトリータイムがその後ろにつけた。人気のミータローは先団を見ながら中団につけ、隊列はバラけた。向正面に入ると、アルポケットが突如外側に逸走してしまったが、レースは淡々と進み3コーナーへ。外から満を持してミータローが仕掛け、逃げるストロングサンデーを射程圏に入れると、4コーナーでは鞭を入れて交わしにかかった。ストロングサンデーが二枚腰を発揮して抵抗するも、残り200mでミータローが抜け出して独走態勢へ。最後は3馬身の差をつけてフィニッシュした。2着はストロングサンデーが逃げ粘り、勝負所から上位2頭に食い下がったライプメインがレオニダスとの3着争いを制した。勝ち時計は2分9秒9(良馬場)。
騎乗した服部茂史騎手は表彰式のインタビューで、「レース前のプレッシャーは特になかったですね。道中は、ゆったりと走って仕掛けどころだけ注意しました。強気の競馬で早く抜け出してしまいましたが、強い競馬を見せてくれました。」と、笑顔を見せた。同レースは2006年のギルガメッシュ、2007年のブルータブーに続いて3度目の優勝。管理する田中淳司調教師は初のダービー制覇となり、所有するDr.コパこと小林祥晃氏も“初めてダービーと名のつくレースを勝てた”と、喜びを爆発させていた。
ミータローは父プリサイスエンド、母サカノエンジェル、母の父リンドシェーバーという血統の牡馬。HBAサマーセール・1歳に上場され、315万円で取引された。生産は新ひだか町静内の静内酒井牧場。門別競馬場でレースを観戦した酒井さんは、「初めての重賞勝ちとなって嬉しいです。牧場時代は気性の荒い面がありましたが、動きの良い馬でした。まだ3歳ですし、これからの活躍も楽しみにしています。」と、喜びを語った。今年は同牧場でミータローの半妹となる当歳馬(父アポロキングダム)が誕生し、順調に育っているという。