ダノンシャンティの初産駒が誕生
2010年のNHKマイルC(G1)を驚異的なレコードで制したダノンシャンティ(牡6)の初年度産駒が産声をあげている。
3月19日には日高町の下河辺牧場で母ランウェイスナップ(母の父ディスタントビュー)との間に鹿毛の牝馬が、また新ひだか町のチャンピオンズファームでも同じ日に母モデルウォーク(母の父キングカメハメハ)との間に黒鹿毛の牝馬が生まれている。
前者は「母にとっても初仔になりますが、どちらかと言えば父親、あるいは祖父のフジキセキ産駒に見られるようなタイプだと思います。いわゆるバランスの良い馬です。性格はやんちゃそのもの。これも父親ゆずりかもしれません」と放牧地を走りまわる当歳馬に頼もしそう。ダノンシャンティのレコード樹立の立役者となったのが、同牧場生産のサンライズプリンス。猛烈なハイラップで逃げるエーシンダックマンを積極的に追いかけ、前半1000m56秒3で通過。直線では先頭にたってレースを引っ張った。「産駒であのときの仇を打ちたい」と夢を広げている。
後者は、ダノンシャンティを同牧場でも期待の高い繁殖牝馬に配合するほどダノンシャンティを高く評価している。モデルウォークはビクトリアクラウンからオーハヤブサにさかのぼる名血。「血統的にも期待している繁殖牝馬の初仔です。初仔としてはしっかりした馬で力強い動きをします。歩くときにもバネを感じさせてくれる馬です」とその動きに満足そう。
いうまでもなく、母の父キングカメハメハも2004年のNHKマイルC(G1)をレースレコードで勝利した快足馬。レコード配合に期待が高まっている。
ダノンシャンティは父フジキセキ、母シャンソネット(その父マークオブエスティーム)という血統。日高町のダーレー・ジャパン・ファームの生産馬。セレクトセールで取引されたあと2歳秋にデビュー。デビュー2戦目のラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)はヴィクトワールピサからコンマ2秒差3着だったが、鋭い差し脚を武器に共同通信杯(G3)2着のあと毎日杯(G3)に優勝。世代トップレベルの力を示している。骨折のためダービー(G1)は出走取り消し。有馬記念(G1)で復帰したものの通算8戦3勝で引退。現在は社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っている。
初年度は153頭に配合。そのスピードを受け継ぐ産駒に期待が高まっている。