星雲賞はスーパーパワーが豪快に差し切る
5月30日、門別競馬場ではブリーダーズゴールドカップ(Jpn2)へ向けての前哨戦、週刊Gallop杯第10回星雲賞(H2)[パイロ賞]が行われた。
今年の顔ぶれは岩手、佐賀からの遠征馬を迎えた13頭。重賞ホルダーを含め、6歳以上の古豪が激突した。1番人気は今季初戦のコスモバルク記念(H2)を制したショウリダバンザイで、地元戦での安定感と衰え知らずの末脚を買われた。2番人気は南関東の重賞馬スーパーパワーで、前走圧勝の内容が高く評価され、同レース3連覇がかかるクラキンコが3番人気に続いた。
レース序盤は道営転入2戦目のケイアイライジンがハナを奪い、クラキンコが2番手、ショウリダバンザイは中団より後ろにつけ、スーパーパワーは最後方に待機した。スタミナを要する門別ダ2000m戦ながら、ケイアイライジンは果敢に大逃げの策に出て、馬群は縦長になった。2番手以下のグループはゲイルバニヤン、クラキンコを前にして中団はかたまり、ショウリダバンザイ、スーパーパワーは自分の競馬に徹するように、後方でじっと脚をためた。3、4コーナーをまわっても逃げるケイアイライジンの脚色衰えず、10馬身近いリードをとったまま直線へ。ムチが入った後続勢が襲いかかるも、ケイアイライジンが二枚腰を発揮し、一時は逃げ切り濃厚かと思われたが、残り100mでクラキンコ、スーパーパワーがその背後に迫り、最後は3頭の争い。ゴール板前、並んでの勝負はスーパーパワーが豪快に抜き去り、道営転入後初の重賞制覇を飾った。勝ち時計は2分7秒1(重馬場)。2着にはクビ差でクラキンコが入り、見せ場十分の逃げで沸かせたケイアイライジンは3着に踏ん張った。1番人気のショウリダバンザイは3頭からやや離れ、4着に敗れた。
騎乗した桑村真明騎手は表彰式のインタビューで、「前走の強い競馬をイメージして、道中は気分良く走ってもらうよう心がけました。直線では馬の力を信じて追いましたが、最後は良い脚で捕えてくれました。」と、ホッとした表情で語った。今季の重賞勝ちはシーギリヤガールで制した北斗盃(H2)に続き2勝目。五十嵐冬樹騎手、服部茂史騎手らを抑えて、現在はリーディングを走っている。管理する角川秀樹調教師は、同レース初勝利となった。
スーパーパワーは父スキャターザゴールド、母クチブエ、母の父アサティスという血統の牡8歳馬で、南関東在籍時に金盃(2011年)、勝島王冠(2010年)を制している。生産者は新ひだか町三石の元茂義一さんで、馬主はホッカイドウ競馬で多数の所有馬を走らせているグランド牧場。門別競馬場でレースを観戦したグランド牧場の伊藤佳幸社長は、「よく復活してくれました。今後も楽しみです。」と、2年ぶりの重賞勝ちを喜んでいた。