長く胆振地域の競馬ファンに愛され続けた、日本中央競馬会の場外馬券発売所「ウインズ室蘭」が第80回日本ダービー開催日の5月26日(日)を以って発売を終了し、24年間の歴史に幕を閉じた。

　発売最終日となるこの日は、多くのファンが来場し朝から熱い声援を挙げレースを観戦し、また屋外に出店された露店での飲食を楽しんだ。記念すべき第80回の節目に相応しく歴史的名勝負となった「日本ダービー」の発走時刻には満員の場内が熱気に包まれ、ゴールの瞬間は大きな歓声に包まれた。

　この日は約9,300人が足を運び、昨年のダービー開催日を16％上回る入場者数となった。白老町の駅前で飲食店を営む松澤政幸さん(63歳)は開場以来20年以上もの間、ウインズへ通い続けた常連だ。この日も町内に住むいつもの競馬仲間3名と朝からレースを楽しんだ。

　「長く通っているし、顔馴染みが多いから閉鎖は本当に残念。最初の頃は駐車場がすぐ一杯になってね、発売機もなかったし有馬記念の日なんかは有馬専用の窓口があったけど、朝の早い時間帯から平場のレースが買えないくらいに混んでいたよ。自分の仲間内はPATがどうも苦手で誰も持っていないし、やっぱり実際に馬券を手にして観戦するのが一番の醍醐味。これからはJ-PLACE登別室蘭に買いに行く事になると思うけど、JRを利用するならJ-PLACE苫小牧の方が便利かなあ。ウインズみたいに大画面の迫力はないし、座れる椅子も少ないんだろうねえ」と寂しげに語った。

　今後は毎週月曜日を中心に7月25日(木)まで馬券の払い戻し業務が行われることとなっている。