新種牡馬パイロの初年度産駒が初勝利
5月15日に行われた門別競馬第6レース、フレッシュチャレンジ競走をミッシートリックが制し、新種牡馬パイロが初年度産駒の初勝利をマークした。
父パイロに初勝利をプレゼントしたミッシートリックは、父パイロ、母ディープアイ、母の父フジキセキという血統の2歳牝馬。浦河町の三嶋牧場生産馬で、所有は三嶋昌春氏。現在、ホッカイドウ競馬のリーディングを走っている原孝明厩舎の管理馬。
能力検査時より絞れて、レースでは444kgの馬体重で出走。単勝2番人気の支持を受けた。序盤は先団の後ろに位置し、3コーナーから徐々にスピードに乗ると、すぐさま先頭に躍り出た。直線に向いて追い出されるとグイグイと伸び、2着馬に7馬身の差をつけた。ダ1200mの勝ち時計1分14秒4(やや重)は同日の3歳戦より優れ、最後は流し気味にゴールしていただけに中身は濃い。鞍上を務めた坂下秀樹騎手は、「スピードの違いで早く先頭に立つかたちになりましたが、終いもしっかりしていました。」と、感想を伝えていた。
幸先良いスタートを切った新種牡馬パイロは、父Pulpit、母Wild Vision、母の父Wild Againという血統の米国産馬。現役時代は米国でG1を含む重賞4勝をマークし、2010年より日本で種牡馬入りした。年々交配頭数を増やしており、今年のJRAブリーズアップセールでは産駒2頭が1,890万円(税込)、2,100万円(税込)で落札され、九州トレーニングセールで最高値を記録したのは、パイロ産駒だった。初年度産駒である2歳世代の動き、出来栄えの良さから、目下、馬産地で非常に高い関心を集める種牡馬に数えられている。
パイロの事務局・照会先のダーレー・ジャパン株式会社ノミネーションオフィスの加治屋正太郎ノミネーションマネージャーは、「育成場における2歳産駒の評判が非常に良く期待していたのですが、このような早い時期に素晴らしい産駒が出現したことで、その期待はさらに大きくなりました。自身の血統的背景、馬体などから年々人気が高まってきた種牡馬ですが、この勝利で残りの種付けシーズンがさらに忙しくなりそうです。嬉しい限りです。」と、朗報を喜んでいる。