BTC調教場でメディア関係者向けの見学ツアーが行われる
4月16日、浦河町西舎の日高育成総合施設軽種馬育成調教場(通称BTC調教場)において、メディア関係者を対象とした見学ツアーが行われた。
このツアーはJRA日本中央競馬会の第1回北海道地区産地馬体検査の取材に訪れた競馬マスコミ関係者に、BTC調教場の施設を知ってもらおうと、BTC軽種馬育成調教センター(以下BTC)が実施したもの。当日は北海道内の新聞社や競馬週刊誌記者、馬産地ライター、日高振興局のほか、関東や関西からPOG関連の取材に訪れた競馬マスコミ関係者など約20名が参加した。
ツアーを企画した高松勝憲BTC日高事業所長は「今回、ツアーのご案内を差し上げたところ、こちらの予想をはるかに上回る多くの方に参加していただき驚きとともに感謝申し上げます。短い時間ではありますがよろしくお願いいたします」と挨拶。一行はBTCが用意したマイクロバスに乗り込み、直線1000m最大勾配5.5%の屋内坂路馬場、直線2000mのグラス馬場、1周800mのダートトラック馬場、直線1000mの屋内馬場などを、早川聡BTC日高事業所次長の解説を受けながら見て回った。
最後は実際にBTC調教場を利用している日進牧場専務の谷川彰久さん、ビクトリーホースランチ代表の荻野豊さんを招いて質疑応答。BTCを利用する牧場で組織する親睦団体のBTC利用者振興会長でもある谷川専務は「うちは古くから生産が主体で牧場をやっていましたが、BTCができてから育成に軸を移していきました。今では育成馬の預託が主体で、生産に関してはオーナーブリーダーに近い形で携わっています」と説明。競走馬育成協会副会長で北海道支部長でもある荻野さんは「開場初日から利用しています。BTCができてから日本の育成調教のレベルが飛躍的に伸びた。冬場も普通に調教できるのは大きいです。施設としては申し分ありません」と話した。
BTCは競走用馬の資質の向上を図り安定的な競馬の発展を通じ、育成調教技術者の養成及び育成調教技術の改善・普及を行うことにより、優秀な競走馬資源をかん養し、もって軽種馬生産の振興を図ることを目的として、平成3年3月に設立。平成5年10月に開場したBTC調教場の運営・管理及び貸与を行っている。今年1月に財団法人から公益財団法人として新たなスタートを切った。
BTC調教場の昨年の年間利用延頭数は167,139頭で1日の平均利用頭数は536頭。BTC調教場利用馬の昨年の競走成績は、JRA2歳戦が新馬勝ち48頭を含め128勝、古馬を含めた勝利数は791勝だった。平地重賞競走はG1 3勝、G2 5勝、G3 11勝の合計19勝。一昨年を9勝も上回った。また、地方競馬の成績は全体で2,552勝、2歳馬は97勝だった。
BTC調教場利用馬(8日間以上)のJRAG1勝利(JG1を含む)は、平成10年の朝日杯3歳S(G1)を制したアドマイヤコジーンから平成24年の有馬記念(G1)を制したゴールドシップまで18頭で27勝をあげている。