BTC育成調教技術者養成研修第31期生開講式が行われる
4月10日、浦河町西舎の軽種馬育成調教センター「軽種馬診療所」2階において、「BTC育成調教技術者養成研修第31期生開講式」が行われた。
この研修は世界に通用する強い馬づくりのための調教育成技術者を養成することを目的に平成4年に開講。これまでの修了者数は404名を数える。
1年間に及ぶ研修期間では、騎乗訓練、馬房清掃、馬の手入れ方法、ロンジング、ドライビング、JRA育成馬調教などの実技、競馬の仕組み、個体識別、馬の血統、馬の蹄、馬の運動生理、民間育成業者による講話といった学科のほか、普通救命講習会、防災訓練、つり大会、スキー実習、ホッカイドウ競馬見学、ばんえい競馬見学などの課外研修を通じて、ホースマンとしての基本や社会人としての心得を学んでいく。
今回、入講した第31期生は北海道、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、広島県、長崎県と全国から集まった、18歳から28歳までの21名(うち女子5名)。54名の応募者の中から選ばれた。大半は昨夏行われた体験入学会の参加者という。
開講式に駆けつけた杉本修BTC専務理事は「本日入講した皆様はこれから育成調教技術者を目指す意欲旺盛な方々です。この1年は厳しい試練が待ち受けていますが、最後まで初心を忘れずに一人の落伍者もなく全員がこの研修を修了することを願っております。日本の競走馬は近年、目覚しい発展を遂げ、昨年の凱旋門賞(G1)で2着となったオルフェーヴル、香港スプリント(G1)を勝ったロードカナロア、今年のドバイで2着になったジェンティルドンナなど世界の競走馬と肩を並べるまでになりました。これは生産地での若馬の育成調教技術のレベルアップがその一因と確信しています。皆様も周囲から認められる立派なホースマンになられることを期待しています」と式辞。
来賓として出席した名取哲也日高振興局長は「同じ志を持って入講した仲間とお互いに協力し、支え合い、研修に励んでください。日高が誇る馬産地の人材として活躍されることを心より期待しています。今年1年、豊かな自然と四季折々の山の幸海の幸に囲まれた日高で充実した1年をお送りください」と激励した。
また、池田拓浦河町長は「一流のホースマンになるための第一歩を迎えたわけですが、これから大変厳しい毎日が待ってます。初心貫徹してください」とエール。小玉剛資JRA生産育成対策室長は「馬の気持ちがわかり、馬をリードすることができる本当のホースマン、馬の良きパートナーになれるようがんばってください」とメッセージを送った。
第31期生21名は入講にあたり「一流のホースマンになり、将来自分の牧場を経営したい」、「世界に通用する馬をつくりたい」、「牧場での戦力となると同時に、競馬界の将来に貢献したい」などさまざまな抱負を掲げている。