日本軽種馬協会2013年(第35期)生産育成技術者研修開講式が行われる
3月29日、新ひだか町静内の日本軽種馬協会静内種馬場研修所において、2013年(第35期)生産育成技術者研修の開講式が行われた。
この研修は世界に通用する強い馬づくりに携わる人材を養成するもので、JRAの助成を受け平成2年に開講。研修期間は1年間で、馬の手入れといった基礎知識、分娩管理といった繁殖学、馬の栄養管理といった馬学などの講義、基本・応用・競走馬術やロンジング、ドライビングなどの騎乗訓練、堆肥造成や草地管理といった作業、分娩実習、せり見学、種牡馬展示会といった実習など、生産から育成に必要な知識・技術を習得すると同時に、全寮での共同生活を通じて社会人としての心得を磨いていく。これまでにこの研修を巣立っていった修了生は381名を数え、日高を中心とした生産・育成牧場でスタッフとして働いている者、自ら独立して育成牧場を経営する者など、日本産馬のレベルアップに貢献している。
35期生は競争倍率約3倍の関門をくぐり抜けた、18歳から28歳までの男性10名、女性2名の12名。日本軽種馬協会や競走馬育成協会など5団体で構成する牧場就業促進事務局が取り組む「牧場で働こうフェア」や「夏休み牧場で働こう体験会」を通じて、入講を志した人も含まれている。
緊張した面持ちで開講式に出席した35期生は一人一人氏名を読み上げられると、「はい」と大きな返事で起立して一礼。全員の紹介が終わると中西信吾静内種馬場長が入講を許可した。
本部からは柴田晃一事務局長が駆けつけて、河野洋平会長の式辞を代読。来賓として出席した小笠原久美子日高振興局副局長、酒井芳秀新ひだか町長、山野辺啓JRA日高育成牧場長、木村貢日高軽種馬農業協同組合代表理事組合長からは「1年間の研修頑張ってください」と激励を受けた。
続いて研修生を代表して埼玉県出身の田畑慎平さんが宣誓。「我々35期生一同は生産育成技術者研修生としての自覚を持ち、研修に関わる皆様、送り出してくれた家族、周囲の関係者への感謝の気持ちを忘れずに研修に取り組んでいきます。慣れない集団生活や研修で思うようにいかないときには、チームワークを発揮して乗り越えていきます」と強い決意を示した。
12名が志望した動機は「最も興味を持っている生産の仕事を短期で教わることができるため」、「競走馬の走っている姿に感動し、将来は競走馬関係の職に就きたいため、日本軽種馬協会で知識を多く学びたい」など。自らの目で面接した中西場長は「皆しっかりとした目標、動機があるので、1年後は一人も欠けることなく修了式を迎えられることを信じています。この子たちなら大丈夫でしょう」と期待していた。