馬産地ニュース

北海道日高装蹄師会の「第19回装蹄競技大会」が行われる

  • 2013年03月29日
  • 装蹄競技大会には過去最大となる10名の装蹄師が参加した
    装蹄競技大会には過去最大となる10名の装蹄師が参加した
  • 熱しられた鉄、燃え上がるコークスの炎と戦う選手たち
    熱しられた鉄、燃え上がるコークスの炎と戦う選手たち
  • ヤスリやカマを使い蹄の形を整える。時間との勝負だ
    ヤスリやカマを使い蹄の形を整える。時間との勝負だ
  • 競技を見守る北海道日高装蹄師会のメンバー。会場は緊張した空気で包まれた
    競技を見守る北海道日高装蹄師会のメンバー。会場は緊張した空気で包まれた
  • 総合優勝のトロフィーを受け取る大東正史さん。貫禄の3連覇を達成
    総合優勝のトロフィーを受け取る大東正史さん。貫禄の3連覇を達成

 3月28日、浦河町の日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、北海道日高装蹄師会(会員81名、武田英二会長)の主催による「第19回装蹄競技大会」が行われた。

 この大会は10月下旬に栃木県宇都宮市で開催される日本装蹄師会主催の農林水産祭参加行事、「全国装蹄競技大会」の予選を兼ねたもの。上位5名が全国大会に出場できる。

 競技は、(1)1本の鉄の棒(3分6鉄桿)を用いて、前後各1個の蹄鉄を制限時間25分以内でつくる「単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)」、(2)判断用馬の歩様や蹄の状態などを見て装蹄方針などを制限時間25分以内で記入する「装蹄判断」、(3)競技用馬の装蹄用の造鉄前後各1個を制限時間20分以内で作製して、制限時間45分以内に競技用馬の前後各1肢の装蹄を施す「装蹄」の3種目。競技内容、審査規定は全国大会に準じたものになっている。

 19回大会には20歳から36歳までの装蹄師10名が参加。全員、北海道日高装蹄師会に所属する中堅若手装蹄師で、10名の参加は過去最も多い人数となった。

 集まった10名は午前8時過ぎから競技を開始。競技審査委員や北海道日高装蹄師会のメンバー、大会顧問らが見守るなか、日頃の仕事で身に付けた装蹄技術を遺憾なく発揮しようと、目の前の課題にひたむきに取り組んでいた。

 厳正な審査の結果、「単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)」部門、「装蹄」部門の2つで最高得点を記録した、浦河町の大東正史さんが昨年、一昨年に続き3連覇を達成。大東さんを含めた上位5名が全国大会への切符を手にした。

 表彰式では大会長を務めた武田英二会長が、総合優勝に輝いた大東さんに賞状、記念品、優勝カップを贈呈。日高振興局、浦河町、日本中央競馬会日高育成牧場などからも賞品が贈られた。

 競技審査委員長を務めた渡辺吉男日本装削蹄協会装蹄教育センター長は各競技を講評し、「装蹄大会では自ら造鉄して装蹄することが、装蹄の基本であることを念頭の上、どのような装蹄にも対応できるよう日頃から研磨を重ねてください」と激励。来賓の池田拓浦河町長は「競走馬にとっても人にとっても足元は肝心要のところ。馬に携わるすべての人の夢を乗せて走る競走馬の脚元を支える皆様には心から敬意を表します。軽種馬を取り巻く環境は大変な時代ではありますが、皆様の努力とともにこの荒波を乗り越えていきたい」と祝辞を送った。

 3連覇を成し遂げた大東さんは「今回は自分が36歳と最年長だったので負けられないというプレッシャーはありましたが、競技を楽しむ余裕もあって落ち着いてできました。全国大会では総合力が問われるので、どの競技も満遍なくできるよう練習して、北海道の代表として優勝を目指して頑張ります」と目を輝かせていた。

結果は下記の通り(敬称略)

総合
優勝:浦河町・大東正史(36歳)
準優勝:安平町・森野健太(29歳)
3位:苫小牧市・伊澤昭仁(33歳)
4位:千歳市・茂貴紀(24歳)
5位:新冠町・倉持達矢(25歳) 

部門賞
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ):大東正史
装蹄判断:森野健太
装蹄:大東正史