日本軽種馬協会2012年(第34期)生産育成技術者研修修了式が行われる
3月12日、新ひだか町静内の日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、2012年(第34期)生産育成技術者研修の修了式が行われた。
この研修は、世界に通用する強い馬づくりを担う生産育成技術者を養成するために、平成2年から実施している事業。全寮制による団体生活を通じて、社会人としての基本的習慣を身につけるとともに、軽種馬生産に必要な基礎や専門的な知識、騎乗技術を習得する。これまでに送り出した370名の人材はサークル内外の評価が高く、日本の生産馬のレベルアップに大きく貢献している。
1年間の厳しい研修を終え、旅立ちの日を迎えた34期生は、18歳から27歳までの11名(男性9名、女性2名)。修了式前には研修所屋内馬場において騎乗供覧が行われ、父母や就業先となる牧場関係者に見守られる中、研修で身につけた騎乗技術を駆使して研修馬を見事に操った。
修了式では中西信吾場長が研修生一人一人に修了証書と記念品を贈呈。本部から駆けつけた西村啓二日本軽種馬協会副会長常務理事は「継続は力なり。一つ一つ積み重ねていくことが大事。競馬を取り巻く環境は厳しい状況ではありますが、皆様のような若い力が競馬を盛り上げる原動力となるので、これからも頑張ってください」と激励し、出席できなかった河野洋平日本軽種馬協会会長理事の祝辞を代読した。
また、来賓からは小笠原久美子日高振興局副局長、浮田昌輝新ひだか町農林水産部農政課支所農政G主幹、横田貞夫日本中央競馬会日高育成牧場副場長、川越敏示日高軽種馬農業協同組合参事らが門出を祝福。1年間の頑張りを讃えた。
最後に34期生を代表して神奈川県出身の谷口航平さんが謝辞。「自分を変えるきっかけになればと研修を受けました。素人同然の自分たちに付き合ってくれた研修馬たちに感謝しています。そして研修を支えてくれたすべての人に本当にありがとうと言いたいです」と目を潤ませた。
34期生11名は、社台ファーム、ノーザンファーム、下河辺牧場、グランド牧場、ケイアイファーム、坂東牧場など全員就職先が決定。慢性的な人材不足が続く軽種馬生産界においては、次世代を担う金の卵として大きな期待が寄せられている。