義経神社の初午祭が開催される
今年で41回を数える伝統神事、初午祭が2月9日の初午の日に平取町の義経神社で行われた。
このお祭りは騎馬武者だった御祭神、源義経が馬を大事にしたという故事と、日高地方が馬産地であることから1973年頃からはじまり、毎年願い事がかなうといわれる午の日に開催している。
当日は土曜日ということもあり、軽種馬関係者の他に札幌からのバスツアー客など一般参拝者の姿も多く見られた。
例年以上となる180名の参列者が見守る中行われた矢刺しの神事では、日高優駿学園校長で、農学博士の永田雄三氏(数えで80歳)が行事者を務め、馬上から今年の鬼門(歳破)である北北西の方角に矢を3本放ち、邪気を払った。
放たれた矢を拾った人には幸運が訪れるとされるこの破魔矢は毎年激しい争奪戦となり、今年は4人がその幸運にあやかった。
1本目の矢は優駿学園1年生、黒川寅泰さんの元へ「まさか取れるとは思ってなくてビックリしました」と降って来た幸運に驚いた表情。
2本目の矢は半分に折れてしまい、優駿学園3年生の鎌田翔さんと西山牧場に勤務する鉛口恭司さんの2人で分けあった。鉛口さんは「1月に携わっていた馬が4勝をあげたので、このペースでどんどん勝って欲しい」と力を込めた。
3本目は同じく西山牧場で副場長を務めている加藤秀典さんが手にした。「今年前厄なので良い厄払いになりました。人馬の無事、できれば重賞を勝てると嬉しい」と笑った。
80歳というこれまでの最高齢で行事者を務めた永田校長は「無事に大役を終えてホッとしています。競馬だけではなくすべての馬と、この地域に暮らす人々の無病息災を祈願しました」と清々しい表情を見せていた。