トランセンドがアロースタッドに到着
1月10日午後12時30分頃、新ひだか町のアロースタッドに、今季から種牡馬生活を送るトランセンド(牡7歳)がスタッドインした。
トランセンドは父ワイルドラッシュ、母シネマスコープ、母の父トニービンという鹿毛。新冠町・ノースヒルズマネジメント(現(株)ノースヒルズ)の生産馬で、一族には2012年の京都金杯(G3)勝ち馬マイネルラクリマ、2012年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)2着馬クロフネサプライズ、1997年の北九州記念(G3)優勝はダンディコマンド、1986年のアルゼンチン共和国杯(G2)などを制したサクラサニーオーがいる。
競走成績は24戦10勝。デビュー3戦目で初勝利を挙げると、2009年の新設重賞レパードSで重賞初制覇を飾った。2010年のみやこS(G3)で2度目の重賞制覇。続くジャパンCダート(G1)を逃げ切りG1初制覇を達成。2011年は史上初のジャパンCダート(G1)連覇達成、フェブラリーS(G1)、マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)とG1/Jpn1 4勝のほか、ドバイワールドC(G1)2着の成績を残し、2011年JRA最優秀ダートホースに輝いた。
1月9日付で競走馬登録を抹消したトランセンドは、僚馬アーネストリーと同じ馬運車に乗り、栗東トレーニングセンターから北海道へ向け出発。アーネストリーをブリーダーズ・スタリオン・ステーションで降ろしてから、アロースタッドへやってきた。
トランセンドの種牡馬入りには、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションでアーネストリーの到着を見届けた(株)ノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーやスタッフも先回りして出迎え。馬運車から降りた愛馬に優しく声をかけ、歴戦の労をねぎらった。
種付料は受胎条件50万円。父ワイルドラッシュとともに父子2代同時繋養となる。
福田洋志ゼネラルマネージャーは「海外で世界に通用する実力を示してくれるなど、数多くの重賞を勝ってくれたトランセンドには感謝の気持ちでいっぱいです。ダートで活躍しましたが、オールウェザーで芝馬たちと互角に渡り合ったスピードは目を見張るものがありました。日高ではすでに1/3程度の繁殖牝馬がサンデーサイレンス系となっているので、サンデーの血を持たないトランセンドは配合がしやすいと思います。今後は馬主さんや生産者の方に愛される種牡馬になって馬産地で貢献してほしいです。トランセンドの産駒が生まれたら全馬見て歩きたいですね」と二世誕生を楽しみにしていた。
新種牡馬を迎え入れたアロースタッドでは「ワイルドラッシュの産駒ということで、トランセンドにはいつも声援を送ってました。ジャパンCダート(G1)連覇やドバイワールドC(G1)の走りは、今でも目に焼きついてます。まずは展示会までしっかりケアして、トランセンドの素晴らしさをアピールしたいですね。預けてくださった前田オーナーはじめ関係者のご期待に応えられるよう頑張ります」と気を引き締めていた。
トランセンド(Transcend)とは英語で「超越する」という意味。本馬を「超越する」産駒の出現を期待したい。