馬産地ニュース

ウインズ静内でファン感謝イベント

  • 2012年12月25日
  • 有馬記念(G1)当日は3,200人が入場した
    有馬記念(G1)当日は3,200人が入場した
  • 最終週2日間で、合計1,200名にプレゼントが贈られた
    最終週2日間で、合計1,200名にプレゼントが贈られた
  • 馬券検討に熱が入る皆さん
    馬券検討に熱が入る皆さん
  • ウインズ静内の都市伝説?
    ウインズ静内の都市伝説?
  • 駐車場はアイスバーン状態だった
    駐車場はアイスバーン状態だった

 2013年5月26日(日)をもって営業終了が決まったウインズ静内では、有馬記念(G1)当日の12月23日(日)と、今年度開催最終日となる12月24日(月)、入場者にプレゼントが当たるイベントが行われた。

 このイベントは長年に渡るファンへの感謝企画の一環で、有馬記念(G1)当日は「2013年JRAカレンダー」、「クリスタルストラップ」、「アクアケース」、「ウオッカ・マグカップ」など7アイテムが先着500名にプレゼントされた。プレゼントは有馬記念(G1)の勝ち馬投票券(500円分)と引き換えで午前10時より始まり、またたく間に長蛇の列ができた。中山3R発走を前に500名に達し、プレゼントが当たった来場者はにこやかな表情を浮かべていた。また、翌日には「2013JRAオリジナル競馬手帳」が先着700名に贈られ、さっそく来年の競馬日程を確認する姿が見受けられた。

 オルフェーヴル、ジェンティルドンナといった3冠馬の回避こそあれ、年末のビッグレース・有馬記念(G1)の盛り上がりは大きかった。当日のウインズ静内の入場者数は、今年最多を記録したダービーデーと小差の3,200人。気温はマイナス3℃、駐車場周辺の道路はアイスバーンと化していた中、老若男女の競馬ファンがどんどん場内に吸い込まれていった。

 場内にはいつもとは違う、大一番特有の雰囲気が漂っていた。「ゴールドシップで堅いだろう。」「エイシンフラッシュは乗り替わりか。」…モニターや新聞を前に声が飛び交う。席にじっくり腰を据えて検討する方、隅で静かに予想に没頭する方、インフォメーションで買い方を質問する方、若い女性グループ、馬券を買ってサッと帰る方、何人か分の馬券を頼まれた方、様々にすれ違う。有馬記念(G1)発走前は立ち見が増え、場内は外の寒さを吹き飛ばす熱気に包まれた。

 一方で、営業終了が決まったことに、改めて寂しさを募らせるファンも多かった。この場所で見る有馬は最後なんだと、どことなく場内の雰囲気をかみしめるように、通路をゆっくり練り歩くファンが、締切間際に窓口へと走るファンと交錯した。

 毎月一度は来ているという20代男性は、「馬産地なのにJRAの馬券を買える場所がなくなるのは、本当に残念です。」と、馬券を握りながら渋い表情を作っていた。千歳から来たという30代女性は、「なくなる前にと思って来ました。もう来るチャンスがないので、今日が最後です。」と、場内全体を見渡していた。頻繁にウインズ静内に来ているという60代男性は、「ウインズ静内の開場から来ています。なくなると聞いて本当に寂しいです。私の年齢だと、どうにも電話投票が難しく思えて…ここで買うのが一番楽だったのですが、不便になってしまいますね。まぁ、私の買う馬券はあまり当たらないから、これからはお金を使わなくて済むのかもしれませんけど。」と、苦笑いした。

 当たり前のようにあった楽しみがなくなることに、今はただ、「寂しい」という言葉で受け止めるしかない。お話を聞いていると、やるせなさが伝わってきた。喪失感を携えながら、勝利に向かって躍動する芦毛の馬体を追っていたファンは、少なくなかったのではないか。

 残るウインズ静内での馬券発売は約5か月間。2013年の滑り出しは1月5日(土)。メインには中山金杯(G3)、京都金杯(G3)が組まれている。当日は入場者先着1,000名に「ターフィー&ハローキティ ハンドタオルプレゼント」のイベントが予定されている。