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トビーズコーナーが日高スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2012年11月28日
  • 日高スタリオンステーションにスタッドインしたトビーズコーナー
    日高スタリオンステーションにスタッドインしたトビーズコーナー
  • 眩しいほどに輝く鮮やかな栗毛の馬体を披露
    眩しいほどに輝く鮮やかな栗毛の馬体を披露
  • 日本で始まる種牡馬生活に目を輝かせるウッドメモリアルSウイナー
    日本で始まる種牡馬生活に目を輝かせるウッドメモリアルSウイナー
  • シンジケート関係者も駆けつけて実馬を確認した
    シンジケート関係者も駆けつけて実馬を確認した

 11月28日朝、(株)荻伏ブリーディングシステムが導入した期待の新種牡馬トビーズコーナー(牡4歳)が、浦河町の日高スタリオンステーションにスタッドインした。来シーズンから種牡馬として日本の生産界に名を刻むことになる。

 トビーズコーナーは父ベラミーロード、母ブランドンズライド、母の父ミスターフリスキーという鮮やかな栗毛の米国産馬。日本ではあまり馴染みのない血統だが、父ベラミーロードはウッドメモリアルS(G1)を後続に大差をつけて圧勝したG1ホースで、種牡馬としても6割を超える勝ち上がり率を誇るダンジグ系、母系はベルモントS(G1)覇者ダンジグコネクションなどを輩出するファミリー、母の父ミスターフリスキーは現役時代に16連勝を記録した歴史的名馬という血統背景を持つ。

 競走成績は12戦5勝。アメリカ東地区の三冠登竜門となる2011年のウッドメモリアルS(G1)では、前年の2歳牡馬チャンピオンで断然の1番人気に推されたアンクルモーを一蹴。G1初制覇を父子2代制覇で飾った。ウッドメモリアルS(G1)の歴代勝ち馬にはアンブライドルズソング、コロナドズクエスト、フサイチペガサス、エンパイアメーカー、タピットなど、後の成功種牡馬が数多く輩出。トビーズコーナーにもその資質が備わっているといえるだろう。

 10月下旬に来日したトビーズコーナーは横浜市で輸入検疫に入りし、検疫が明けた11月27日に北海道へ向け出発。悪天候の中での船出となったが、時間の遅れもなくスムーズにスタリオン入りした。

 新種牡馬の到着にはスタリオン関係者やシンジケート会員などが出迎え。心配された輸送による疲れもなく元気そうな姿を確認すると、安堵の表情を浮かべた。その後も到着の報せを受けた関係者が続々と駆けつけ、初めて対面するニューカマーの動きを熱心にチェックしていた。

 シンジケート会員の1人は「現役上がりなのでまだ競走馬らしい身体つきですが、思ったより体高がありますし、幅が出れば種牡馬らしい貫禄もついてくるでしょう。検疫期間中も体重が減らなかったというので精神的にもしっかりしていると思います。胸が深く心肺機能も高そう。伊達に歴史あるG1を勝ってないですね」と期待を膨らませていた。

 シンジケート総額は1億8500万円(1株370万円×50株)。来春の種付料は未定という。事務局の(株)荻伏ブリーディングシステムでは「実馬をご覧になればこの馬の素晴らしさがおわかりいただけると思います。サンデーサイレンス系からミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系まで、幅広い配合が可能な種牡馬ですので、1頭でも多くの繁殖牝馬を集めたいですね」と、できあがったばかりのパンフレットを大事そうに抱えていた。