馬産地ニュース

岡田繁幸さんの講演会が行われる

  • 2012年11月28日
  • 講師を務めたビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸さん
    講師を務めたビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸さん
  • 講演会の趣旨に賛同して提言を行うハリー・J・スウィーニィさん
    講演会の趣旨に賛同して提言を行うハリー・J・スウィーニィさん
  • 主催者を代表して挨拶する西村和夫静内軽種馬生産振興会長
    主催者を代表して挨拶する西村和夫静内軽種馬生産振興会長
  • 用意した席が足りなくなるどの多くの人が集まった講演会
    用意した席が足りなくなるどの多くの人が集まった講演会

 11月26日夜、新ひだか町の静内ウエリントンホテルにおいて、ビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸さんを講師に迎え、「日高地域の活性化のために、面白くて、ちょっとためになって、聞いてもらいたいことがあります。」を演題にした講演会が行われた。

 この講演会は静内軽種馬生産振興会(西村和夫会長)の主催で同振興会青年部、三石軽種馬生産振興会、新冠町軽種馬生産振興会が協力。牧場関係者などの業種に隔てなく広く参加を呼びかけるため新聞の折込広告でも告知したところ、日高全域から他業種からの参加も含め350人が出席した。

 満員となった会場で西村和夫会長は「本日は当振興会の大先輩でもある岡田さんに快く講師を引き受けていただきました。これから競争が厳しくなる中、牧場の意識改革とともに、地域の方々と一緒にお客様やファンを迎え入れなくいかなければならないと思い多くの方の参加を呼びかけましたが、ここまで集まっていただけるとは思いませんでした。本当に感謝いたします」と挨拶。講演前には講演会の趣旨に賛同したパカパカファームのハリー・J・スウィーニィさんが日高の軽種馬生産について数々の提言を行った。

 岡田さんは日高の生産馬が社台グループの生産馬に圧倒されている状況について言及。「軽種馬の世界は農業と同じで種を制するものが業界を制する。社台グループが導入したサンデーサイレンス1頭で大きな差がついた」と種牡馬の重要性を訴えた。また、日高の生産馬が復活するには夜間放牧の導入が不可欠と断言。毎年日高の生産馬を100頭購買してきた経験から「夜間放牧をしていない馬は体力がない。当歳の早い時期から夜間放牧することで骨や身体が丈夫になる。今のやり方を根本的に変えないとさらに差がつく」とアドバイスした。

 そして日高が社台グループや海外に対抗するためには「軽種馬市場」「馬主制度」「種牡馬」の3つの変革が必要と指摘。市場については海外やセレクトセールに負けない立派なせり会場を日高につくる大構想を披露。馬主制度については馬主資格のハードルを下げて馬主を増やし、繁殖牝馬が投資の対象となるようシステムを変えるべきと力説した。

 種牡馬については、社台グループが所有するディープインパクトに対抗できる種牡馬の導入を呼びかけ、「私が種牡馬として導入したコンデュイット、アイルハヴアナザーが成功したら私を信用してほしい。これからも種牡馬で勝負していくので日高の方々とシンジケートを組みたい」と熱弁した。

 ほか、経営論や教育論、国の将来、TPP問題など多岐に渡るテーマで持論を展開。地域一体となって日高を盛り上げていこうという熱意を伝えた。