平成24年度育成技術講習会が行われる
11月21日夜、新ひだか町公民館・コミュニティセンターにおいて、「平成24年度育成技術講習会」が行われた。
この講習会は社団法人競走馬育成協会、JRA日本中央競馬会、財団法人軽種馬育成調教センターの共催で、公益社団法人日本軽種馬協会が後援。育成調教技術の改善・普及を図るために開かれた。講習会には日高・胆振地区から200名を超える牧場関係者が出席し、途中で席を追加するほど盛況だった。
当日のプログラムは松井朗氏(JRA競走馬総合研究所 運動科学研究室研究役)による講演、「育成期のサラブレッドの飼養管理について」と、服巻滋之氏(ハラマキファームクリニック)、三浦久延氏(ファームコンサルタント 獣医師)、谷川智幸氏(株式会社ホクチク)、澤村恭平氏(JRAファシリティーズ株式会社)、松井朗氏の5名のパネリストによるパネルディスカッション「サラブレッドの飼養管理について~生産地での実例も交えて」の2部構成。満員の出席者を前に和田隆一競走馬育成協会副会長理事は「会員の方から現場で役立つ話を聞きたいという声があり、飼養管理についての講習会を企画しました。日本のトップレベルの馬は世界に通用するようになりましたが、全体で見るとまだまだ技術向上しなければならない、底上げを図らなければならないと感じております。本日の講習会が皆様の日常の仕事に役立つよう、日本の強い馬づくりに貢献できるよう祈念いたします」と挨拶した。
松井氏は講演の中で、育成期の飼養管理が目指すものは「その馬が競走馬として生来備わっている資質が最大限発揮できること」と明言。その上で育成期の標準的な発育は、発育曲線がスムーズであることが理想と説明した。また、近年広く普及してきたボディコンディションスコアについては「何人もで同じ馬を鑑定し、お互いのスコアの付け方について情報交換することが重要」と話した。
パネルディスカッションのパネリスト5名は、日本軽種馬協会が平成18年から行っている競走馬生産振興事業・軽種馬経営高度化指導者研修の馬栄養指導者(カウンターパート)関係者。それぞれの立場から初期育成、中期育成、後期育成と各ステージの飼養管理について考えを披露した。
講習会では多くの質問が寄せられ、終了予定時刻を30分以上も過ぎるほど白熱。最後に荻野豊競走馬育成協会北海道支部長は「遅い時間まで集まっていただいた皆様に感謝いたします。競走馬育成協会としては今後も軽種馬育成調教技術向上のための勉強会を開催したいと思っていますので、今後ともご支援ご協力をお願いします」と礼を述べた。